1960年竣工の貨物船に焦点 横浜で企画展

貨物船の模型などの資料が展示されている企画展=日本郵船歴史博物館

 高度経済成長期の1960年に竣工(しゅんこう)した貨物船に焦点を当てた企画展が、横浜市中区の日本郵船歴史博物館で始まった。貿易量の増加を背景に、さまざまな積み荷に対応した専用船が登場。年平均10%という経済成長率を記録した日本の発展を支えた海運の役割と、船種の変遷を振り返る。

 企画展「1960竣工 高度経済成長期を支えた貨物船」は、今年で竣工60年を迎える日本郵船の貨物船9隻の航跡を60点の資料で紹介。好景気の中、計画造船や他社船の購入を急ぐことで伸び続ける輸送量に対応していた同社の足跡を振り返っている。

 在来船と呼ばれた従来の貨物船は高速貨物船が主流となり、日本と欧米などを結ぶ基幹航路に投入された。60年に建造された「瀬田丸」「隅田丸」は最高速力が20ノット(時速約37キロ)を越えたという。新造船だけでは間に合わず、他社から「平戸丸」「双栄丸」を購入して商船隊を拡大した。

 来年1月17日まで。午前10時から午後5時。月曜と年末年始は休館。入館料は一般400円、中高生・65歳以上250円、小学生以下無料。問い合わせは、同館、電話045(211)1923。

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