コロナ大流行で核情勢への影響考察 市民社会の積極取り組み必要 長大レクナ会合

北東アジアを巡る安全保障問題について議論するオンライン会合の一場面

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は31日、新型コロナウイルスなど感染症のパンデミック(世界的大流行)が朝鮮半島と日本を含む北東アジアの核情勢に与える影響を考察するオンライン会合を開いた。北東アジアを巡る安全保障問題について韓国の文正仁(ムンジョンイン)氏(大統領特別顧問)は、米中の新たな冷戦を引き起こさないために「市民社会や非政府組織(NGO)の積極的な取り組みが必要」と述べた。
 文氏は北東アジアの政治情勢について、北朝鮮だけでなく、台湾などの問題もあると指摘。米国が台湾にミサイルなどを支援していることを挙げ「(米国は)中国に誤った信号を送ってしまっている」と分析した。これらにより米中の対立が激化しているとして、「この地域での核戦争を含む大規模戦争に発展する可能性もあり、とても心配」と危機感を示した。
 会合は米国のNGO「ノーチラス研究所」などと連携し、国内外の核軍縮や感染症の専門家や若者ら約60人が参加。11月に3回オンラインで非公開の会合を重ね、2030年までに想定される核情勢を含めた将来像を議論する。

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