トイレの床リフォームでおしゃれな空間に。注意点と適した床材は?

10年に一度は必要とされるトイレ内装リフォーム。その中でも床材の交換は、選び方ひとつで印象も使用感も変わるといっていいほど、重要なポイントです。快適なトイレ空間にするためにも、適した床材を選びましょう。今回は、おしゃれに見せるトイレ床リフォームのポイントと注意点、費用相場などをお伝えします。

真似したくなるおしゃれなトイレの床の実例集

トイレの雰囲気は床のデザインで決まるといっても過言ではありません。おしゃれな色味や柄を取り入れることで、見た目が良くなります。こちらでは、真似したくなるようなトイレの床の実例をタイプ別に紹介します。リフォームプランやイメージづくりに役立ててください。

木目調

独特の風合いと温かみのある木目調は、和洋の住宅問わずトイレの床に使われています。デザイン性の高さや落ち着きある雰囲気に加え、機能性の高さも選ばれる理由のひとつ。トイレはその性質上、掃除のしやすさや耐水性への配慮が求められます。木目調のクッションフロアなどは、トイレにありがちな問題を解決する素材として適しています。

濃いトーンの床材を選ぶのであれば、壁紙は暗さを抑えた色合いにするなど、全体のバランスに注意しましょう。床材が濃いブラウンであれば、メープルやホワイト系など優しい色調の壁紙がおすすめです。

無地

無地の床はすっきりと清潔感ある印象をあたえる。ホワイトは汚れが目立つため、カラーを選ぶのがおすすめ

トイレには、無地のタイルやクッションフロアもおすすめです。柄がないと、すっきりとした清潔感ある印象をあたえます。黒やグレーといった暗いトーンを選ぶと、汚れが目立ちにくいうえに掃除もしやすくなります。これらの特徴はベージュやアイボリーなど淡い色にもいえることです。反対に、ホワイトの無地は黄ばみが目立ちやすく掃除してもなかなか取れないことがあるため、避けたほうが無難です。

タイル・石柄

石柄の床はシックで高級感を演出できる。リアルな石材は目地に溜まった汚れなどの手入れが手間になるが、石柄のフロアシートなどで代用すれば高級感は劣るが手入れしやすい

シンプルで清潔感あるタイルや、シックで高級感を演出できる石柄の床は、昔からトイレの床材として人気でした。もちろん今もおしゃれな素材として選ばれています。ただ、タイルの弱点として指摘されるのが、目地の部分の掃除のしにくさ。ここにたまった汚れや黄ばみを洗い落とすのは大変です。細かく丁寧に、かつ長時間かけたお手入れが必要で、管理負担が大きいのが難点です。

こういった問題も、石柄の床材であれば解消できます。薄いプラスチック素材であっても、見た目は重厚で落ち着きある石柄そのものです。デザインのバリエーションが豊富にあるため、おしゃれ感を演出するデザイン選びにも困りません。芦野石柄や珊瑚石柄など、ご当地ブランドもおすすめ。

大理石柄

rm_wd0601さんのインスタグラムより

大理石といえば高級ホテルなどで使われる床材で、シックでエレガントな雰囲気の演出に適した素材です。とはいえ住宅素材として使うにはハードルが高いため、大理石調床材の活用がおすすめです。ホワイトやピンク、グレーなど色柄のバリエーションも豊富で、インテリアテイストに合わせてチョイスできます。

格子柄

格子柄などのデザインを床に取り入れるとユニークなトイレになる

格子柄やチェック柄、ストライプ調のデザインも人気です。黒やダークブラウンなど格調高い色を取り入れることで、味わい深い雰囲気を演出できます。黒の格子柄は清潔感あるホワイト調の壁紙にもコントラストが効いてよく映えます。

総柄

seino705_diaryさんのインスタグラムより

総柄やモザイクタイル調は、華やかな雰囲気の演出に役立つデザインです。ピンクや白、黒、グレーなどさまざまな色のバリエーションがあります。お好みの色合いを取り入れてユニークな柄の床材に仕立て上げることも可能です。

トイレの床に使われる床材の特徴

次に、トイレの床に使われる床材の種類と特徴について見ていきます。材質が違うだけで、機能性が異なり、使い勝手や見た目、掃除のしやすさや管理負担に差が生まれる点に注意が必要です。リフォーム前に、どのような材質がふさわしいかよく見極めたうえで選びましょう。

クッションフロア

トイレをはじめ、キッチンや洗面所など水回りの床材としておすすめなのが、クッションフロアです。理由として、耐水性の高さが挙げられます。多少の水分が床に落ちても拭き取りやすく、掃除しやすいのが魅力です。

クッションフロアはメリット豊富なことから、水回りだけでなくリビングや玄関でも使用されます。DIYショップでも取り扱いがあるほどで、自分で貼るのも難しくありません。リフォーム業者に頼んでも比較的リーズナブルな費用で済みます。手軽にリフォームしたい場合におすすめの床材です。

フロアタイル

塩化ビニルを使って多様なタイルデザインを生み出すフロアタイルは、住宅床材のほかオフィスや店舗などでも使用されています。カラーバリエーションが豊富で、大理石調や石柄調など、素材の質感をリアルに表現できるところが魅力です。シンプルな柄模様からシックな雰囲気の演出まで、幅広く対応できます。

タイル

トイレ床材のスタンダートであるタイル。耐久性・耐水性が高く、汚れが目立ちにくいことから、トイレなどの水回り使用に適しています。近年はデザイン性の高いものも出回っており、ニーズやお好みに合う色のチョイスも難しくありません。施工や色使い次第で、高級感ある雰囲気の演出が可能です。

タイルの使い道はさまざまです。たとえば、便器の周りにタイルを張ってその外側をフローリングにする、といった方法もおすすめです。工夫次第で、水汚れに強いトイレ空間を維持できます。モップでさらっと拭き取るだけで終わる手間暇の少なさも、トイレリフォームで重視したいポイントのひとつです。耐水・防臭にすぐれるタイルですが、値が張り大がかりな工事が必要なケースがあります。予算の関係で難しいときは、フロアタイルの選択も検討してみてください。

フローリング

フローリングといえばリビングや廊下、洋室、寝室などさまざまな場所に使われる住宅床材ですが、トイレで使用する場合はトイレに適したフローリング材の選択が大切です。代表的な素材として無垢材があります。

ただし、基本的に木材はトイレと相性が悪いと思っておきましょう。木は水に弱いため、トイレに敷き詰めると色合いや寿命に影響を及ぼす可能性があります。アンモニア成分が付着したり、トイレ用洗剤を使って磨いたりすると、目地の変色や腐食を招きやすくなることも。木目にキズが入ると修復が困難となり、目立ってしまうデメリットもあります。

トイレ用フローリング材の中にはアンモニア成分に強い表面を持つタイプもあります。しかし、フローリングに継ぎ目があれば水分が浸み込んで悪臭の原因になることも少なくありません。これらの欠点を克服するには、継ぎ目に水分が浸み込みにくく、かつ溝加工のないタイプを選ぶのがおすすめです。

床リフォームのタイミングは?

トイレの床リフォームのタイミングは、素材や使用環境によって異なります。クッションフロアで10年、タイルは15年ほどが目安です。床材張り替えの時期を明言するのは難しいですが、おおむね使用素材の耐用年数が大きく関係します。

たとえ見た目上は問題なく、張り替える必要性を感じなくても、リフォームを検討したほうがいい場合があります。トイレ本体や周辺設備の交換、あるいは壁紙の補修をするなら、同時に床リフォームも検討してみましょう。

今は問題なくとも、近いうちに床材の張り替えが必要であれば、同時リフォームするほうがコスト的にもお得といえます。トイレの床リフォームは、トイレルーム全体を考え、適切に判断するのが大切です。

古い床材は、下地にも影響を与えます。トイレに立ったときに床がきしむ感じがするのであれば、張り替えに適したタイミングです。見た目がきれいだからといって放置すると、下地が劣化して床全体を大幅に改修しなければならないことも。そうなると費用もかかってしまいます。検討の際はタイミングを逃さないように注意し、リフォーム後も快適に使えるトイレを目指しましょう。

トイレの床リフォームで気をつけるポイント

トイレの床リフォームにはいくつかの注意点があります。使いやすさや掃除のしやすさ、機能性などを見て素材を選ぶことが重要です。トイレの床リフォームを検討するときは、水回りのリフォームというより、ひとつの部屋の快適性を追求する視点が求められます。以下、気をつけるポイントを説明します。

掃除のしやすさ

フラットな床材なら床掃除がしやすく、簡単な手入れで清潔に保てる

トイレ掃除は定期的に行うのが理想ですが、できるなら負担を軽くしたいところです。掃除のしやすさを重視する場合、クッションフロアや、網目や凹凸のないフラットな床材などがおすすめです。昨今は水汚れがしにくく水はけのいい加工製品も出回っているため、簡単な手入れで清潔感を保ちやすいタイプを選びましょう。

防臭効果や耐水性のある床材がベスト

床材の中には、アンモニア成分が残りにくく、耐水性にすぐれたタイプがあります。トイレだからこそ居心地の良さは大切です。臭いや変色に強い素材を選びましょう。多少の腐食やシミにも負けない耐久性であるかどうかも、見極めたいポイントです。たとえ耐久性や防臭効果にすぐれたタイル、フローリングでも、トイレに適さない性質のものもあります。床材を選ぶときは、トイレ用の素材かどうかも重視しましょう。

工事のしやすい素材

トイレの内装や設備は10年サイクルで交換が必要とされます。工事の際にできるだけ手間がかからない素材を選ぶことで、費用が安くなる可能性があります。たとえば、タイルなどは張り替えの際にトイレ本体を取り外すことになるため、施工費用がかさみがちです。

素材が異なれば施工方法も変わります。10年後の工事を考えたとき、交換しやすいかどうかを念頭に床材を選んでください。DIYで床材を変えたい場合も、施工の簡単な床材を選ぶのが大切です。作業に慣れない場合は、とくに加工しやすいタイプの床材を購入しましょう。

床の高さを変える場合

リフォーム後に床の段差がなくなったり、高くなったりする場合、ドアの開閉に支障が生じるかもしれません。内開きのドアはとくに注意が必要です。床の高さを変える場合は、ドア開閉のことまで考えてリフォームしてください。

排水口を作る場合

床リフォームと同時に排水口を新設する方もいるかもしれません。排水口は掃除の際に便利ですが、使い方によっては臭いに困ることがあります。下水管は使用頻度が低いと、封水と呼ばれる悪臭防止のための水が蒸発してしまい、下水の臭いが立ち上ってきます。悪臭のせいでトイレが使いづらくなるトラブルに注意してください。

トイレの床リフォームの工事費用相場

最後にトイレの床リフォームの費用用場を紹介します。なお、以下の相場はあくまで目安です。実際はリフォーム会社によって異なる部分が大きいため、施工の際は見積もりで確認するのが重要です。

床のみリフォームした場合

トイレのリフォーム費用は、床材や広さによって変わってきます。たとえば広さ1畳・クッションフロアの場合、2万~4万円で施工できます。フローリングであれば3万~5万円といったところです。タイルの場合、一般的なもので5万~6万円程度ですが、高機能タイプはこれの倍近い費用がかかります。性能やグレードがアップすればそれだけ高額になると思っておきましょう。

壁紙や天井もリフォームした場合

トイレの床をリフォームする際、壁紙や天井クロスもあわせて取り換えれば、個別にリフォームするよりもお得。全体的にきれいに生まれ変わり、雰囲気もガラっと変えられるのでおすすめ

床材交換となれば、一緒に壁材や天井クロスも新品に取り換えるほうがお得です。個別にリフォームするケースより費用が安くなり、手間も省けます。クロスのグレードや性能によるものの、5000~2万5000円の追加費用であれば、一緒に交換するのがおすすめです。

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