マンションの壁紙リフォームで、部屋の印象をチェンジ。費用相場はいくら?

多くの日本の住居では、白くて柄のないシンプルな壁紙が採用されています。白無地の壁紙には清潔感や統一感があり、部屋を広く見せることができるなどのメリットがあります。ただ、希望のインテリアのテイストに合わないケースも。オリジナリティあふれるおしゃれな部屋を作りたい場合は、壁紙を変えるのがおすすめです。

壁紙を張り替えるだけのリフォームは早ければ半日で終わり、費用もそこまでかかりません。張り替え後は部屋の雰囲気ががらりと変わるため人気があります。今回はマンションの壁紙リフォーム費用相場や壁紙クロスの種類・機能、DIYによる壁紙張り替えなどについてまとめていきます。

マンションでも壁紙の張り替えは可能か?

マンションの場合は戸建てと違って、部屋の大規模な修繕やリフォームが難しいというイメージがあります。ただ実際は、壁紙張り替え程度であればほとんどのマンションで可能です。

ただ、工事が必要なものについては、管理組合への届け出等が必要になります。リフォーム業者の出入りや資材の搬入等もあるため、工事内容や期間については事前に組合に説明しておきましょう。

壁紙の張り替え日数の目安は1日~1日半前後です。1000番台クロスに張り替える際に下地補修が必要であれば、2日以上かかることもあります。張り替え可能かどうかはケースによって異なるため、事前連絡を怠らないようにしましょう。万が一届け出をせずに壁紙の張り替え工事をしてしまうと、近隣トラブルなどが発生する可能性があるため注意してください。

もし賃貸で大規模な張り替え工事が断られた場合はすぐにはがせる「ウォールステッカー」などを活用してみましょう。部屋の雰囲気を手軽に変えることができるためおすすめです。

マンションにおける壁紙選びのコツ

壁紙とひと口にいっても、さまざまな種類があります。最近はデザインが豊富なだけでなく、消臭効果やリラックス効果などが得られる壁紙もあります。それぞれの良さを生かし、快適な空間を実現するためにも、壁紙の種類は居室に応じて選ぶようにしましょう。

リビングであればマイナスイオン効果が期待できる壁紙がおすすめです。リラックスしながらゆったり過ごせます。キッチンやトイレなら、消臭効果のあるルームエアータイプや通気性の高い壁紙がおすすめです。ラミネート加工された壁紙であれば強度が高く、多少物がぶつかっても傷つきません。家具の移動を頻繁に行う場合に向いています。

ほかにも、インテリアや目指している空間に合わせて壁紙の色味やデザインにこだわれば、おしゃれな部屋づくりを実現できます。全面張り替えだけでなく、壁一面のみや梁や柱のみといったワンポイントの壁紙張り替えもできるため、選択肢は多岐にわたります。部屋の雰囲気を一新するためにも、事前に計画を立てて、じっくりと壁紙を選んでいきましょう。

クロスの種類と費用相場

壁紙クロスにはグレードがあり、それぞれ特徴や費用相場に違いがあります。ここでは、実際に壁紙の種類や張り替える費用相場はどれくらいか紹介します。

壁紙クロスの種類は大きく分けて2種類

壁紙には大きく分けて「量産品クロス」と「1000番台クロス」というふたつの種類に分類されます。それぞれ費用や機能性に違いがあるため、求めている効果やデザイン、予算と相談しながら、どれにするか決めましょう。

量産品クロス

量産品クロスはベーシックな壁紙で、多くの住居に使われている種類です。色や柄はシンプルなものが多く、値段も安価なため、お財布に優しいクロスといえます。防カビ効果などの機能も選べ、施工難易度が低いというメリットがあります。

その反面、耐久性が低いというデメリットもあります。場合によっては補修や再張り替えにより、総合的にコストがかかることも。とはいえ、壁紙自体が安いので張り替えもリーズナブルに行えます。お金をかけずに部屋の雰囲気を変えたい、壁紙を総張り替えしたい方におすすめです。

1000番台クロス

1000番台クロスは一般品クロスや中級品クロスとも呼ばれています。量産品クロスより金額がやや高めです。量産品クロスと比べると生地が薄めで下地が目立ちやすく、施工には入念な下処理が必要。そのため施工には量産品クロスより時間や費用がかかるケースがほとんどです。

1000番台クロスは汚れ防止や消臭、コーティングなど、優れた機能を持つクロスが多いのがメリットです。デザインも豊富で、さまざまな色や柄を選べます。部屋をおしゃれにリフォームして雰囲気をがらりと変えたい方や、居室に合わせた壁紙クロスの機能を求める方にぴったりです。

効果に応じたおすすめの壁紙5選

1000番台クロスはデザインだけでなく、得られる効果も豊富。暮らしを快適にする機能を持つものがたくさんあります。理想の生活空間を実現するためにも、それぞれの機能を理解して効果的な張り替えを行いましょう。

1000番台クロスは量産品よりも費用がかかるため、事前にサンプルの確認が重要。イメージしたものと違っていたとしても、張り替え後では修正が難しいためです。以下では、効果に応じたおすすめ壁紙を5つ紹介します。

ビニールクロス

ビニールは壁紙でもっとも使われている材質で、プリントが容易なためさまざまなデザインを楽しめるのが特徴です。撥水性が良く、ちょっとした汚れも簡単に拭き取れるメリットもあります。インテリアにぴったりなものを探している方や、汚れにくくお手入れがなるべく楽な壁紙を探している方におすすめです。人の行き来が多く砂埃も舞いやすい廊下や玄関などに張るのにも向いています。

珪藻土壁紙

珪藻土壁紙は独特の質感があります。その風合いから、こだわりの空間づくりのために採用する方も少なくありません。消臭効果も期待できることから臭いのつきやすいキッチンの壁紙に採用するケースもあります。一方デメリットは、湿気や埃を吸着しやすく、カビが発生しやすいことです。こまめなお手入れをするとともに、定期的に十分な換気をして乾燥させましょう。

紙クロス

紙クロスは吸音性が高いため、ゆったりくつろぎたいリビングや和室などに向いています。和の雰囲気を求めるなら、和紙素材を使った高級品もあります。紙クロスは水汚れに弱いため、濡れたらすぐに対処する必要があります。乾いた布やティッシュなどで素早く拭き取るようにしましょう。手垢などは消しゴムで軽くこすると落ちる場合があります。

スーパー耐久性

表面を特殊加工しているのでペットの爪痕などがつきにくい、スーパー耐久性壁紙クロス

ペットを飼っている方におすすめなのがスーパー耐久性の壁紙クロスです。表面を特殊加工し強化しているため、猫の爪とぎなどでも傷がつきにくくなっています。特殊なフィルムは傷だけでなく汚れや臭いも防止する効果が期待できます。ペットを飼っている世帯にとって魅力的な壁紙です。ペットの爪が届く壁の下部のみにスーパー耐久性の高い壁紙を張り、上部は違うデザインの壁紙にもできます。

ペットと生活するためのリフォームについてもっと知りたい方はこちらをご覧ください

爪とぎ対策だけじゃない! ペットと暮らすためのリフォーム・リノベーションは何をするべき?

織物クロス

織物を使用したクロスは独特の柔らかい質感で、見た目にも落ち着きと高級感があります。ゆったりとした雰囲気を演出してくれることから美術館などにも採用されています。寝室に張れば、くつろぎの就寝スペースが作れるはずです。注意点として、織物クロスは、埃が吸着しやすく掃除がしにくい点があげられます。水拭きは避け、乾いた布で拭いたり、はたきなどを使ったりして優しくお手入れしましょう。

リフォーム会社に張り替えを依頼するときの費用内訳

壁紙張り替えの一般的な相場は、張り替えた壁紙の処分費用・下地処理費用・新しい壁紙の輸送費用などを含めて、6畳分ならば4万~10万円程度です。もちろんリフォーム業者によって金額は異なります。必ず事前に見積もりをとり、いくらかかるかチェックしておきましょう。複数社から見積もりをとって比較することも大切です。

壁紙リフォームの費用相場について知りたい方はこちらをご覧ください

壁紙リフォームの費用相場は?おしゃれな施工例を紹介

材料費

張り替えによって新たに設置される壁紙クロスの費用です。使用するクロスの大きさにより金額は異なります。m(メートル)や㎡(平米)など、壁紙のサイズを表す単位が違うことがあるため注意しましょう。

面積当たりの壁紙費用の計算方法

平米単価は、壁紙クロス1㎡単価のことで、張り替える面積によって総壁紙費用が決まります。張り替える壁の総面積と天井の面積を合計し、そこからドアや窓の面積を引いて総額を割り出します。

メートル単価は壁紙クロス1mにかかる単価で、張り替えに必要なメートル数で張り替え費用が割り出されます。壁紙クロスの幅は0.9mのため、1m分を面積にすると0.9㎡となります。そのため、メートル単価の方が安く見えます。実際にどちらが安いのか、計算して確認しておくようにしましょう。

施工費

施工費用には業者の人件費・交通費のほか、技術料が含まれる場合が多い

施工費用は工事にかかるさまざまな費用の総称です。業者の人件費や交通費はもちろん、技術料などもここに含まれることがほとんどです。業者によっては壁紙費用の金額内に施工費を含めている場合もあるため事前に確認しておきましょう。

下処理費

下処理費は、古い壁紙を剥がした後に下地を確認し、補修が必要な場合にかかる費用です。1000番台クロスの場合は生地が薄いため、下地が透けて見える場合などにも下処理が必要となります。

養生費

壁紙リフォーム時、床や天井などを傷つけたり汚したりしないように養生するための費用です。必要があれば家具やコンセントなどにも養生が施されます。家具などは可能な限り事前に別の場所へ移しておくことをおすすめします。

荷物移動費

張り替え時、作業に支障をきたすと判断された家具や家電、大きな荷物などを別の場所に運び出すための費用です。重量や物の量によって金額が変わるため、自分で動かせるものは動かしておいたほうが、費用を安く抑えられる可能性があります。

廃材処分費

剥がした古い壁紙クロスの処分費用です。張り替えた面積によって処分する壁紙の量が変わり、当然料金も変わります。こちらも事前に確認しておいたほうが無難です。

壁紙の張り替えはDIYでも可能?

壁紙の張り替えをリフォーム業者に頼む場合、それなりの費用がかかることから、DIYでやりたいと考える方も多いはず。DIYなら人件費がかからない分、費用を安く抑えられます。ただ、実際の費用は壁紙クロス代だけでは済みません。専用の接着剤や樹脂ローラーなどの器具代や、壁紙の配送代がかかる場合もあります。壁紙の張り替え自体はDIYでも可能ですが、思ったよりも高くつく可能性がある点に留意しましょう。

難易度が高いのでプロに頼むのが一般的

壁紙のDIYに失敗し、業者に修正や補修を相談するケースも。心配な場合はプロに頼むのが無難

壁紙の張り替えは一見簡単そうに思えますが、実は難易度が高いものです。壁の大きさを計測してコンセントやエアコンの位置を確認したり、壁紙クロスをカットして気泡が入らないように貼り付けたりするのは、想像以上に技術と経験が必要となります。

事実、DIYによって壁紙を張り替えた方の失敗は多く、リフォーム業者に修正や補修を相談するケースも少なくありません。コストを抑えるつもりが、失敗によって余計に費用がかかってしまう可能性もあります。コストダウンのみを求めて壁紙をDIYによって張り替えるというのはあまりおすすめできません。心配な場合は、プロの業者に頼むのが無難といえます。

壁紙を替えずに壁面の印象を簡単に変える方法

壁紙を替えずに壁面の印象を変えたいときにおすすめなのが、ウォールステッカーやマスキングテープを使った方法です。失敗しても修正しやすく、なにより費用が安く済む点が魅力です。賃貸の方でも実践できるため、ぜひ試してみてください。

ウォールステッカーを貼る

気軽に壁面全体の印象を変えたいなら、ウォールステッカーがおすすめです。ウォールステッカーは大きなシール状のアイテムで、壁紙の上から直接貼り付けることができます。粘着力が強すぎないため壁紙を傷つけることがなく、賃貸物件でも使用可能です。デザインも豊富なので、インテリアにあったものを探せます。ウォールステッカーはホームセンターや100均でも販売されています。リーズナブルで気軽に購入できる点もメリットといえます。

マスキングテープを使用する

壁面にワンポイントのアクセントを加えたい場合におすすめなのがマスキングテープです。もともとは保護用・養生用・仮止め用テープとして用いられていましたが、近年はおしゃれで可愛らしいマスキングテープがたくさんあります。インテリアのワンポイントアイテムとして使用されるケースも増えてきました。デザインはもちろんサイズもさまざまなものがあるため、ご自身の好みや用途に合わせて選ぶことができます。

破れてしまった壁紙の一部を隠したり、補修したりするときも、マスキングテープは大活躍。貼り付けはもちろん取り外しも楽で、壁紙をほぼ傷めることがありません。マスキングテープは、ホームセンターだけでなく、100均やおしゃれな雑貨屋などで購入可能です。

【初心者におすすめ】ポイント張り替えで雰囲気を変える

デザインにもよりますが、壁紙を張り替えると部屋の印象はかなり変わります。イメージ通りに張り替えることができれば、これまでとは一味違うおしゃれな空間での暮らしも実現可能です。ただ、いざ張り替えてみたら「イメージとまったく違う」とがっかりするケースも。

初めて壁紙を張り替える方におすすめなのが、ポイント張り替えです。部屋の壁一面のみを張り替えたり、柱など特定の箇所のみを張り替えたりするだけでも印象はかなり変わります。

部分的な張り替えのため費用も安上がりで、イメージと違った場合も手軽に改善できます。部屋の壁紙すべてを張り替える勇気がない、費用を安く抑えつつ雰囲気を変えたいという方は、ポイント張り替えを試してみましょう。

アクセントクロス

アクセントクロスとは、一カ所のみの壁紙を張り替えるインテリア手法

アクセントクロスはその名の通り、部屋のアクセントとなる壁面一カ所のみの壁紙を張り替える方法です。一面のみを張り替えるため費用はそれほどかかりませんが、部屋の印象はかなり変わります。一般的に、日本の住宅の壁紙は、部屋ごとに一色で統一されています。整然とした落ち着きある印象を与えてくれますが、デザイン的には単調になりやすい面もあります。

アクセントクロスなら、壁一面のみデザインを変更して部屋を印象づけることができます。ワンポイントの張り替えのため、大胆な色合いやデザインの壁紙も取り入れやすく、単調になりやすい壁面をおしゃれに彩ってくれます。

梁や柱だけ変える

梁や柱の壁紙を変えるだけでも、部屋の印象はかなり変わります。ナチュラルな雰囲気を出したいときにおすすめなのは木目調の壁紙です。柔らかさを感じる温かみある空間になります。レンガ調やコンクリート風、花柄など、イメージする雰囲気やテイストに合わせて柄を選びましょう。

最初のうちは一気に全面を張り替えるのではなく、梁や柱など一部分の張り替えで様子を見てみましょう。雰囲気が気に入ったら、全面張り替えするのもひとつの方法です。

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