延長ロスタイムに決勝点 創成館主将・岩崎「来る」と直感 サッカー全国高校選手権長崎県大会 悲願の初V

【決勝、創成館-長崎総合科学大付】延長後半ロスタイム、創成館のMF岩崎(左)がゴールを決めて喜びを爆発させる=トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第99回全国高校選手権長崎県大会最終日は8日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で決勝が行われ、創成館が長崎総合科学大付を下して悲願の初優勝を飾った。
 「7度目の正直」で悲願を達成した。これまで県内主要大会で決勝に6度進みながら、優勝はゼロ。この大会も2015年の決勝で、PK戦の末に涙をのんでいた。「シルバーコレクター」と揶揄(やゆ)されたこともある創成館が、文句なしの勝負強さで歴史を変えた。
 前後半80分、さらに延長20分を戦ってもスコアが動かず、試合はロスタイム1分を残すのみとなっていた。このままPK突入か-。そんな空気がスタジアムを包む中、この試合最初にして最後の得点は生まれた。
 GK永田のフィードを起点に左サイドでMF豊本がキープ。このとき、ゴール前に位置取っていた主将のMF岩崎は「来る」と直感した。2人のマークを振り切り、どんぴしゃで送られてきたクロス。頭で合わせたシュートが、ゴール左上にすっぽりと収まった。
 「あの瞬間はあまり覚えていない。気が付けばスタンドに走っていた」。殊勲の主将を中心に、勝利を確信する歓喜の輪ができていた。
 転がり込んできた優勝ではない。大会を通じて自分たちのスタイルを貫き、好機の数で相手を上回った。久留監督が「やっと理想に近づいてきた」と手応えを感じていたチームが、実力通りのパフォーマンスを発揮したからこそ得た初の全国切符だ。
 強力ストライカーを擁する国見を準決勝で破り、決勝は5連覇を狙う長総大付の牙城を崩した。大会を通じて失点はゼロ。今年で99回を数える冬の選手権に向けて、長崎から新風が吹いた。

 


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