「年越しも覚悟」 高校生就活 長期化懸念 求人倍率は業種に偏り

来春卒業予定の高校生を対象に開かれた合同企業面談会=長崎市油木町、県立総合体育館

 来春卒業予定の高校生の就職活動が10月16日に始まってもうすぐ1カ月になる。新型コロナウイルスの影響で多くの業種で求人数が減り、9月末時点で前年同期比約2割減。高校の進路指導担当者からは、就職先が決まりにくく活動の長期化を懸念する声が上がる。長崎市内で9日あった合同企業面談会(長崎労働局、県など主催)には県内企業59社、高校生63人が参加した。

 今年の就職活動は、当初予定より1カ月遅れてスタートした。労働局によると、県内企業からの求人数は9月末時点で3795人(前年同期比23.2%減)で記録が残る1999年度以降5番目の多さ。新型コロナ禍で求人数は減っているが、県内就職を希望する高校生の求人倍率は2.57倍(同0.44ポイント減)と生徒優位の「売り手市場」が続いている。
 ただ減少割合は業種によって偏りがあり、特に新型コロナの影響が大きい観光関連などは落ち込みが大きい。市内の私立高の進路指導担当教諭によると、宿泊業や販売業で求人を出した企業数は例年の3分の1程度に減り、求人取り消しもあったという。担当教諭は、選考開始が1カ月遅れたことも踏まえ「例年、多くの生徒が年内に内定を得ているが年越しも覚悟しなくては」と話した。
 合同企業面談会は、密を防ぐため高校生を午前と午後に分散したほか、参加企業の担当者はフェースシールドを付けるなどの感染防止対策を取って実施。参加した女子生徒は「新型コロナで採用数は減っているが、希望の仕事に就けるように頑張りたい」と話した。
 11日午前10時半からは佐世保市の市体育文化館で開く。

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