青山の私道訴訟 住民が意見陳述 長崎地裁

 長崎市青山町の住宅団地を通る私道の通行権を巡り、住民側が道路を所有する福岡の業者に通行妨害禁止や慰謝料などを求めた訴訟の口頭弁論が9日、長崎地裁(天川博義裁判長)であった。住民2人が意見陳述し「一刻も早く以前の生活に戻れるようになってほしい」と訴えた。
 昨年10月の第1陣の7人に加え、今年8月に第2陣の89人が追加提訴。1、2陣を併合して審理が行われた。業者側は第2陣に対する「地役権を設定した契約書は存在しない」旨の答弁書を提出した。争点が多岐にわたるため、次回以降にさらに争点を整理する。
 意見陳述で住民2人は、分譲時に開発業者から私道が通行できるとの説明を受けた上で土地を購入した経緯や、住民が協力して私道を維持管理してきた現状などを述べた。
 私道は約700メートル。2018年に取得した福岡の業者が住民側に買い取りや車両通行料を求めたが断られたため、昨年10月に道路の一部をバリケードで閉鎖。その後、バリケードは撤去されたが、タクシーや福祉車両などは現在も私道を通れず、住民の生活に支障が出ているという。


© 株式会社長崎新聞社