パドレスが右腕・クレビンジャーとの2年契約に向けて交渉中

今年8月末にトレードで積極的な補強を展開したパドレスは、インディアンスの実力派右腕マイク・クレビンジャーの獲得に成功した。クレビンジャーがフリーエージェントとなるまであと2年保有することができるが、パドレスは1年ごとに年俸調停のプロセスで交渉するのではなく、2年契約を結ぶことを検討しているようだ。「FanSided」のロバート・マレーは、パドレスがクレビンジャーとの2年契約に向けて交渉中であることを伝えている。

現在29歳のクレビンジャーは、メジャー2年目の2017年から3年連続で12勝以上をマーク。2018年には自己最多の200イニングを投げて207奪三振を記録するなど、インディアンス先発陣の中心的存在として活躍してきた。ところが、今季は8月に新型コロナウイルスの感染防止プロトコルを破って無断で外出していたことが発覚し、球団から謹慎処分を受けてマイナー降格。8月下旬にメジャーへ昇格したが、8月末のトレードでパドレスへ放出された。

パドレス移籍後は4試合に先発して2勝1敗、防御率2.84と期待通りの安定したピッチングを披露。しかし、シーズン終盤に右肘を故障し、活躍を期待されたポストシーズンではわずか1イニングしか投げられなかった。レギュラーシーズンでの成績は2球団合計で8試合に先発して41回2/3を投げ、3勝2敗、防御率3.02、40奪三振となっている。

故障が多いという明確な欠点こそあるものの、健康時にはエース級の働きが期待できるため、来季からの2年間も先発ローテーションの中心的存在となるのは間違いない。ただし、フリーエージェントとなるまであと2年のため、今回の2年契約が成立したとしても、2022年オフにフリーエージェントとなる点は変わらない。

2年契約を結ぶことで、パドレスは今後2年間のクレビンジャーの年俸を確定させることができる。コロナ禍において、2021年の年俸を安く、2022年の年俸を高くするといった形にすることも可能だろう。一方、故障の多いクレビンジャーにとっては、2年分のサラリーが保証されることになる。両者の思惑が一致した結果の2年契約成立ということになりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.