「日本一」に照準 ラグビー長崎県中学代表 大会中止でも“誇り”継承

長崎県中学代表のメンバー

 コロナ禍で中学の全国大会が相次いで中止となる中、年末の全国ジュニアラグビー大会も開催が見送られた。各地区予選を突破した都道府県選抜が競う大会。長崎県代表は2017年まで6年連続で4強以上に入るなど、実績を重ねている。県ラグビー協会の中学委員会は「大会がなくても“長崎ラグビーの誇り”を継承しよう」と今季も選抜チームを結成。8月末から約2カ月間「日本一」に照準を合わせた活動に取り組んできた。
 ラグビースクール、中学部活動の計8チームから24人がメンバー入り。2年連続で名を連ねたSO一瀬、CTB高比良、林、FB後藤を軸とした攻撃力の高さに加えて、この2カ月間で守備力も上がった。
 体格の良さを生かして攻守に貢献するロック齊藤、久保らFW陣も成長。バックスとの連係の幅が広がり、昨年までコーチを務めていた小坂監督が「全国に出ても遜色ない」と手応えを口にするチームに仕上がった。
 活動の締めくくりとなった10月31日。メンバーは長崎県代表を象徴する緑色のジャージーを着て、佐賀県代表との試合に臨んだ。小坂監督の「コロナ禍の中でも、ラグビーをさせてもらえたことに感謝を伝えるプレーをしよう」という呼び掛けを胸に、2カ月間の成果を出し切った。
 積極的に体を張ったディフェンスからターンオーバー。素早くボールをつないで次々とインゴールに飛び込んだ。24人全員がグラウンドに立ち、前後半ともに6トライ(3ゴール)を奪取。72-14で快勝した。
 主将を務めた齊藤は「こんな機会をつくってもらってありがたく思う。この2カ月間、プレーだけでなく人間としても成長できた。高校でもそれぞれの学校で力をつけて、また県代表として戦えたらうれしい」とこれからの飛躍を誓った。

【長崎県中学代表―佐賀県中学代表】前半2分、連続攻撃から長崎県中学代表のロック久保(中央)が先制トライを決める=長崎市営ラグビー・サッカー場

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