人権の大切さ考えよう 弁護士ら中学生に呼び掛け 川崎

子どもの権利について講演する大﨑さん=川崎市立川崎中学校

 子どもたちに人権の大切さを考えてもらおうと、「人権オンブズパーソン子ども教室」が16日、川崎市立川崎中学校(同市川崎区)で開かれた。1年生約140人が参加。講師役の弁護士やバイオリニストが、誰もが生まれながらに持っている権利を尊重することの重要性を訴えた。

 弁護士で人権オンブズパーソンの大﨑克之さんは、新型コロナウイルスに感染した人への差別を題材に講演。「不正確な情報や思い込みで、いじめや差別に加担してしまうかもしれない。感染者は加害者ではなく被害者。もし自分ならどう行動するか考えてほしい」と呼び掛けた。

 市民文化大使でバイオリニストの大谷康子さんは、ビバルディ「四季より『春』」などを演奏。「コロナ禍で世界が大変な時だからこそ、心を通わせて友達を大切にして」と語った。

 真剣に耳を傾けていた田村優心さん(12)と清水智恩さん(13)は、「誰にも話せない悩みができたり、友達が困っていたりしたらオンブズパーソンに相談したい」と話した。

 人権オンブズパーソン制度は、いじめや体罰など子どもの権利侵害や男女平等に関わる人権侵害について市が設けた相談・救済制度。「子どもあんしんダイヤル」=電話(0120)813887=で悩み相談ができる。開設時間は、月・水・金曜の午後1~7時、土曜の午前9時~午後3時。

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