マクニカ、AIの社会実装を加速化する「BrainTech」の取り組みを開始

AIの社会実装が進む中、導入を進める上での課題もまた浮き彫りになっている。例えば、AIモデルを開発するための教師データが足りない、アノテーションコストが高い、AIが出す結果がブラックボックス化されているなどが挙げられる。機械学習アルゴリズムに必須である教師データを効率的に増やすには、タグが付いたデータを取り込むことでパターンを認識させることが重要である。そのため、AI開発にはタグが付いた状態のデータを用意することが必須となり、データにタグ付けを行うアノテーションは機械学習において不可欠なプロセスとなっている。株式会社マクニカは、AIの社会実装を加速化する「BrainTech」の取り組みを開始し、イスラエルのInnerEye Ltd.(以下、インナーアイ)のソリューションを提供開始した。BrainTechとは、Brain(脳)とTechnology(技術)をかけ合わせた造語であり、脳科学をベースにした技術、サービスを指す。物と人間の脳をつなぐ新たな取り組みであり、社会イノベーションやDXを進めるうえで、重要な役割を担う技術として注目されている。今回提供を開始する同ソリューションは、EEG(脳波測定器)を通して脳活動の状況をとらえ、人の認識・判断をAIに短期間で学習させることができる。具体的には、人に対して画像データを提示してその画像データに対する人の判断、判定を脳波からとらえ、データにタグ付けを行う。脳波の発生からタグ付けまで通常4画像データ/秒のスピードで行うことができる。また、その人独自の判断を、脳波を基にして判定しタグ付けを行う。これにより、エキスパートの人の経験や知識を基にした判断や特に直感的な判断を基に、いわゆる「見る人が見ればわかる」をAIに学習させることができる。さらに、確信を持って判断していないケースや、疲労しており判断が鈍る可能性がある際には、脳波に違いが現れる。この違いを使い、脳波からタグデータの生成と同時に確信度も生成する。確信度はAI学習に使用され、確信度が低いタグに対してはAIの学習影響を小さくすることができる。これにより、タグの誤りによるAIの精度低下を避けることができ、学習時間の短縮につながる。確信度の低い画像データはフィードバックを行い、再度見直しを行うことができる。同ソリューションを軸に、日本に加えてマクニカの海外拠点であるドイツ、ブラジルと連携することにより、グローバルベースで獲得する事例や技術導入情報をシェアし、マクニカならではのグローバルで活用できるインテリジェンスへと昇華させ、共通課題に対するソリューションの構築を加速させる。日本から海外、海外から日本へ、各国で生み出された優れたソリューションを素早く展開し、ソリューション導入の支援、課題の早期解決を促進する。

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