川崎惜敗、遠征のサポーター落胆 「等々力で決めてほしい」

優勝決定が持ち越されたものの、選手に拍手を送る川崎フロンターレのサポーターら=大分市

 サッカーJ1リーグで首位の川崎フロンターレは21日、勝てば2季ぶりの優勝が決まる大分トリニータ戦に0─1で敗れた。優勝決定が22日以降に持ち越され、敵地の昭和電工ドーム大分(大分市)に足を運んだファンの多くは落胆を隠せなかったが、同時に次こその思いを強くした。

 入場者は、9820人。大分トリニータによると、フロンターレサポーター向けのビジター席約900席は前日までに完売したという。「(新型コロナウイルスの影響で)応援の制限は続いているが、手拍子で後押ししたい」。歓喜の瞬間を一緒に味わおうと、ファンは固唾(かたず)をのんでプレーを見守った。

 しかし、リーグ制覇が懸かった一戦は無得点のまま終了の笛が鳴った。川崎市から夫とともに訪れた女性(47)は「言葉が出ない。絶句です」と肩を落とした。

 22日にガンバ大阪が引き分けるか負けると優勝が決定するが、自力で決められる25日の等々力陸上競技場での次戦に延びる可能性もある。女性は「ホーム戦のチケットも買っている。そこで決めてほしい」と力を込めた。

 一方、地元にはフロンターレに熱い視線を送る男性の姿も。大分市の会社員の男性(46)は長男に「けんご」と名付けるほど、今季限りで引退する中村憲剛選手の大ファン。その長男(8)とともに観戦した男性は、悔しがりながらも「(九州に来る)次の試合をまた見に行きたい」と話した。

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