コロナに負けるな「三の酉」 急きょ商店街で熊手販売 横浜、手締めは小声で

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米俵や小判で華やかに飾り付けられた熊手を見入る買い物客ら=26日、横浜橋通商店街

 「三の酉(とり)」の26日、商売繁盛を祈願する「酉の市」が金刀比羅大鷲(ことひらおおとり)神社(横浜市南区)で開かれた。年の瀬を告げる風物詩も、今年は新型コロナウイルス感染再拡大の影響で露店の出店規模を大幅に縮小。縁起物の熊手を売る店は近くの横浜橋通商店街に構え、恒例の手締めは小声で「商売繁盛」の合いの手を入れた。

 「このコロナで厳しいご時世だけに、少しでもお役に立ちたい」。商店街でお好み焼き店を営む男性店主は、こんな思いで旧知の熊手商に店舗を貸し出した。

 例年は神社の門前が露店の掛け声と大勢の参拝者で活気にあふれるが、今年は2日の「一の酉」、14日の「二の酉」で露天はゼロ。「三の酉だけでも」と、商店街の店先を活用して1店だけの熊手販売が実現した。

 米俵や小判で華やかに飾り付けられた熊手は、定休日の隣接店前にもずらり。福運をかき集めるという縁起物で、新たな熊手を買い求める参拝客らでにぎわった。購入時恒例の手締めは威勢のいい大声での掛け声は取りやめ、マスク姿で控えめに「商売繁盛」と合いの手を入れ感染対策に気を配った。

 経営者の50代男性は「来年はもっと大変だろうが、コロナなんかに負けたくない。手締めで気持ちが引き締まった」。買い物に訪れた40代女性は「年の暮れの訪れを告げる風物詩だけに露店の中止は残念だった。商店街で熊手を扱ってくれるのは何とも粋な計らいですね」と喜んでいた。

 熊手商「山口」は29日午後8時まで、同商店街で営業するという。