火災で全焼「まるなか本舗総本店」 臨時店舗オープン

臨時店舗で接客する中村社長(中央)=長崎市岩川町

 10月に長崎市のJR浦上駅前で発生した火災で全焼し、閉店したかまぼこ店「まるなか本舗総本店」が1日、旧店舗付近に臨時店舗をオープンした。
 火災は10月17日午後0時半ごろ発生。店舗2棟が全焼、民家1棟が半焼した。同社は営業不可能として同22日に閉店を発表。市内の工場で製造は継続し、他の店舗は営業していた。
 臨時店舗はかまぼこやすり身揚げの販売や贈答品の注文などを取り扱う。付近の壁に市民から寄せられた応援メッセージ付きのかまぼこ板が掲示されている。
 午前9時の開店直後から次々に客が訪れた。以前から同社のかまぼこを買っていた同市葉山1丁目の会社役員、谷村正夫さん(44)は「ちょっとでも手助けになれば。今回の試練を乗り越えて頑張ってほしい」。
 戦後間もなく、原子野の浦上で創業した同店。伝統ののれんは火災でも焼けずに残り、店舗内のショーケースに飾り付けた。4代目の中村吉治社長(44)は「多くの励ましをいただき、前を向けた。おいしいかまぼこを作り、お客さまを大切にしたい。最終的には元の場所で元通りになれるよう頑張りたい」と語った。

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