【新型コロナ】川崎フロンターレ、医療従事者支援へCFで資金集め 「最速Vの恩返しに」

医療従事者支援に向けたクラウドファンディングを呼び掛けるJ1川崎フロンターレの特設サイト

 新型コロナウイルスに対応する地元の医療従事者らを支援しようと、サッカーJ1の川崎フロンターレがインターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を行っている。目標は1千万円で、支援金は手数料などを除いて全額、川崎市に寄付する。クラブの担当者は「まだまだ感染は広がっている。サポーターも苦しい状況かもしれないが、地域への協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

 リーグ最速優勝を後押ししてくれた市民らへの恩返しの思いを込めて発案した。喫緊の社会課題の解決につなげるため、使途を感染症対策に限定して同市の寄付金制度を利用。1日からスタートし、1週間で400万円を超えるなど反響を呼んでいる。

 コロナ禍で大規模イベントの入場制限がかかり、今季は多くのJリーグクラブの経営が悪化。フロンターレの本拠地・等々力陸上競技場(同市中原区)で行われたリーグ戦の平均観客動員も、昨季の3分の1の7672人にとどまった。

 各クラブは強化費などを捻出するため、独自にCFを実施してきた。ただ、井川宜之営業部長(45)は「ホームタウンのサポートがあったから今がある。より苦しい状況にある地域を助けるのは当たり前」とあくまで地域貢献に目を向ける。

 来年1月15日まで受け付けており、金額に応じてクラブのオリジナルグッズなどがもらえる。支援金は医療用マスクやフェースシールド、防護服の調達などに活用してもらう考えだ。井川さんは「フロンターレの情報発信力を生かして、より多くの人に広めていきたい」と思いを込めた。

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