【IR誘致反対】横浜市長リコール署名9万筆 法定数には届かず 市民団体、辞職求め要望書提出

2カ月間で集まった署名数を発表する市民団体のメンバーら=JR桜木町駅前

 横浜市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に反対し、林文子市長のリコール(解職請求)を目指す市民団体は15日、2カ月の期間内に集めた署名を集計した結果、9万111筆だったと発表した。リコールに必要な法定数(約49万筆)には届かなかったが、「解職を求める声が見える形となった」と受け止め、同日、林市長宛てに辞職を求める要望書を提出した。

 主導した市民団体「一人から始めるリコール運動」が、JR桜木町駅前で署名数を発表した。広越由美子代表は、法定数には達しなかったものの、「(署名数は)林市長のやっていることがおかしいという評価。無視して良い数字ではない」と強調。「これまで政党や組織に頼らず準備してきた。一人一人が横浜の問題に怒ったり、考えたりしたことが大事。重みがあると市長や横浜市行政に受け止めてほしい」と話した。

 その後、市役所を訪れ、署名数を記した要望書を秘書課とIR推進室の担当者に提出。2017年夏の市長選で誘致「白紙」を掲げて3選した林市長が昨年8月に一転して誘致を表明したことなどを「公約違反」と批判し、辞職を求めた。応じない場合は、誘致撤回などを要望した。

 署名は法定数に達していないため、市選挙管理委員会には届けず、今後、溶解処分するという。

 同団体は、昨年9月から署名集めを担う「受任者」を募り、10月5日から署名活動を開始。リコールの実現には、2カ月以内に市内有権者の約6分の1に当たる約49万人の有効署名を集める必要があった。

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