新潟県妙高市の元妙高市地域のこし協力隊員が民宿「こつぼねの家」をプレオープン

こつぼねの家外観

新潟県妙高市の地域のこし協力隊の任期を終えた諸岡龍也さんが、妙高市内に農家民宿「こつぼねの家」を19日にプレオープンした。妙高市の地域おこし協力隊を終えて定住し、起業したケースは初めてという。来年1月9日にグランドオープンする予定。

諸岡さんは大阪府出身で、地元で保育士として働いていたが、7年前の32歳の時に自然について学びなおしたいと一念発起し、妙高市にある国際自然環境アウトトドア専門学校に入学した。専門学校では、主に野外教育を学んだ。

専門学校卒業後、中山間地の暮らしに興味を持ち始め、平成29年8月に妙高市の地域のこし協力隊に着任、稲作やイベント企画など妙高市内のNPO法人みずほっとの活動支援を行ってきた。

今年7月に地域のこし隊の3年間の任期を終えて、妙高市内の農業生産法人妙高ライスに就職。その後、職場の理解も得て、昨年5月から住んでいる約築140年の古民家を活用して、民宿を始めることとなった。地域のこし協力隊の任期後、妙高市内で起業する隊員が交付を受けることができる「妙高市地域のこし協力隊起業・事業継承支援補助金」を活用した。

民宿を開業した諸岡龍也さん

グランドオープンまでは、以前諸岡さんが自らサイトを作成して実施したクラウドファンディングの返礼品として配布した宿泊券の持参者のみ受け付ける。クラウドファンディングでは約120万円が集まり、全額民宿の開業費用に使われた。

「こつぼねの家」とは、集落名の小局(こつぼね)から取った名前。

民宿は木造2階建てで、延べ床面積は約200平方メートル。隣にある蔵に明治17年という表記が残っていることから、民宿の建物はそれ以上古いと考えられ、諸岡さんによると、築140年以上は経っているという。民宿の建物は以前、村長や市議会議員が住んでいたといい、諸岡さんの前には外国人も住んでいた。

民宿は昔ながらの古民家で、レトロな雰囲気が漂い、風呂は井戸水を薪で沸かしたヒノキ風呂を楽しめる。料理は出ないが、自炊か事前予約すれば共有のキッチンで地域の人たちと調理することができるほか、近くの仕出し屋から取り寄せることも可能。

料金は素泊まりで大人(高校生以上)1泊1人5,000円、中学生2,000円、小学生1,000円、乳幼児無料。冬期間は灯油台でプラス500円となっている。

檜風呂。井戸水を沸かすという

約12畳の客間

囲炉裏が使える部屋

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