3年生の成長で躍進 鎮西学院21位 全国高校駅伝

区間7位の力走でゴールへ向かう鎮西学院男子のアンカー宮川=たけびしスタジアム京都

 目標の長崎県高校記録(2時間5分36秒)更新まで、あと少しだった。3年生主体の鎮西学院が、最後までぶれずにたすきをつないで2時間5分57秒の21位でゴール。2時間10分36秒で36位だった3年前からの躍進に、入江監督は「県で勝つことが目標だった3年前とは違う駅伝だった」と選手たちの健闘をたたえた。
 好走できた一番の要因は3年生の成長だった。昨年、一昨年と県大会で敗れ、悔しさをため続けてきた学年。だからこそ「最初で最後」の都大路への思いはどこよりも強かった。一人一人が自主性、責任感を持って走力アップに奮闘。そんな努力家たちがこの秋、結束して3年ぶりに全国切符をつかんだ。
 今回はその後も歩みを止めなかった。県大会後に2、3年生7人が5000メートルの自己記録を更新。その自信を胸に、この日は35位発進となった後も諦めずに前を追った。
 2年生で唯一メンバー入りした4区山下が「3年生に笑って終わってほしくて」と6人抜きの走りを見せれば、それに刺激を受けた5区濱田は区間3位で続いた。長い故障から復活した6区本山、アンカー宮川は、これまでの悔しさを晴らすような力走を披露。目標にこそ届かなかったが、チーム最高タイムの2時間8分3秒を2分以上も更新していた。
 長崎のレベルも上がっていることを示せた都大路。入江監督が「戦う土俵に立たせてもらった気がする」と振り返ったように、収穫の多いレースになった。エース格の小林が後輩たちに思いを託した。「来年こそ県高校記録を更新してほしい」。その土台はしっかりつくった。


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