全国高校選抜大会 25、26日開幕 長崎県勢は男子・南山、女子・活水

2年前に惜しくも逃した決勝トーナメント進出を目指す男子の長崎南山=長崎市、長崎南山学園弓道場

 弓道の第39回全国高校選抜大会は25、26日、岐阜市の岐阜メモリアルセンターで行われる。男女とも3人制の団体に52校がエントリー。予選から上位16校による決勝トーナメントで競う。県勢は11月の県予選を制した男子の長崎南山が2年ぶり2度目、女子の活水が2年連続2度目の出場権を獲得。例年実施している個人戦はコロナ禍の影響で中止された。

■男子/長崎南山 全員の「一体感」で勝負

 県予選決勝は2位対馬に1中差で競り勝った。安冨監督が「歴代でも類を見ないくらいの一体感がある」と評するチームワークで積み重ねてきた練習が実を結んだ。
 コロナ禍で悔いを残したまま引退した3年生17人との別れが、未熟だったチームの意識を高めた。夏場は中学生を含む部員全員で「40日間1万中」を目標に弓を引くなど厳しさを追求。「技術うんぬんよりも、ハートが一つになった」(安冨監督)。地区大会や県大会も「これが最後になるかもしれない」と大会開催への感謝や緊張感を持って臨んできた。
 県予選決勝で4射皆中と気を吐いた落ちの中村をはじめ、松尾、長田、友廣のメンバー4人全員が高校から競技を始めた選手。全国の舞台に立つのも初めてだが、目指すは予選で惜敗した2年前を超える決勝トーナメント進出だ。中村は「技術的には戦えるはず。精神力を強く持って、いい経験にしたい」と意気込む。

■女子/活水 雰囲気大事に決勝Tへ

 昨年の県予選で初優勝したことで、チームの目線が「上位大会で勝つ」に上がった。その誓い通りに、今年も県予選決勝を逆転で制して全国の挑戦権を獲得。先輩たちが突破できなかった予選をクリアして、一つでも多く勝ち上がりたい。
 県予選前から始めた練習前の黙想をはじめ、全員で意見を出し合いながら意識を高めてきた。大前として弓を引くのは、現メンバーで唯一、昨年の全国を経験した大道寺。「他の学校の誰より早く打って(的に)入れて、後ろを安心させたい」と気合が入っている。
 綾部は安定感があり、三浦は緻密に組み立てて矢を放つ。主将で責任感の強い前田は「大事なのは雰囲気。硬くならず、活水らしく、楽しくやれれば」と自然体を心掛けている。
 県高体連弓道専門委員長も務める梅本監督は「(コロナ禍の)運営への感謝を忘れず気持ちを切らさず臨んでほしい」と期待を込めている。

「上位大会で勝つ」を目標に2年連続出場を果たした女子の活水=長崎市営弓道場

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