西海の病院でクラスター 外来診療や通所リハビリ休止 「一日も早い再開を」

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した「長崎セント・ノーヴァ病院」は、長崎県西海市で2番目の規模の病床を抱える。21日から外来診療や通所リハビリを休止したが、外来患者からは一日も早い再開を望む声や代替病院を探す不安が聞かれた。
 同病院には療養向けの慢性期病床と回復期患者向けの地域包括ケア病床の計110床がある。内科など七つの診療科があり、訪問診療・看護や訪問・通所リハビリ、居宅介護支援などにも取り組んでいる。市の担当者は「市内には病床がある病院が少ない。高齢者のケアにも力を入れており重要な医療機関」と話す。
 40年以上通院する80代男性は「医師や看護師が親切でバスの送迎もある。地域になくてはならない病院」とし、夫が足のリハビリで通っているという60代女性は「代わりの病院はすぐには見つからない。頼りにしているので早く再開してほしい」と望む。
 同病院は外来診療の休止期間は約2週間を見込んでおり、電話診療で薬を発送するなどしている。外来を休止することで医療スタッフを感染していない入院患者のケアに集中させて乗り切る方針という。
 市内で診療所を営む西彼杵医師会の田中公朗会長によると、同病院の外来患者が数人診察に訪れた。田中会長は「個人としてはできるだけ支援したいが、他の医療機関はそれぞれ診療事情が異なるため、各院長の判断になる」と話した。


© 株式会社長崎新聞社