【全日本柔道選手権】29歳・羽賀龍之介が令和最初の王者に! 決勝は同門・太田から内股一本

決勝で太田(左)に内股で一本勝ちした羽賀(代表撮影)

体重無差別で柔道日本一を決める全日本柔道選手権が26日、東京・講道館で行われ、2015年世界選手権100キロ級王者&リオ五輪同級銅メダルの羽賀龍之介(29=旭化成)が優勝し、令和最初の全日本王者の称号を手にした。

1回戦から出場した羽賀は、3回戦で母校・東海大後輩の100キロ超級代表補欠の影浦心(25=日本中央競馬会)を相手に、11分41秒という長丁場で反則勝ちを収め波に乗る。すると決勝でも東海大の後輩である100キロ超級の太田彪雅(23=旭化成)との同門対決を、延長に入ってからの見事な内股で一本勝ちを奪って見せた。

3回目の出場での初優勝に「勝ち切れたのは素直にうれしい。コロナ禍での全日本選手権開催もうれしかった。言い訳を作ることもできたが突き詰めてやってきて、今までとは違う大会という感情が沸き上がった」と感慨深げに語った。

3回戦で破った影浦に対しては「東海大でも毎日稽古をしていたが、本当に成長している。ここでコロッと負けたら先輩として示しがつかないので、壁になってやろうという気持ちだった」と先輩としての意地があったことを明かした。

また父である善夫氏(57)は同大会に5回の出場経験があるということで「自分は4月28日生まれで、通常なら次の日が大会当日。昔から特別な思いがあるので、親孝行できたかな」と表情を和らげた。

今後については「五輪代表に落選してショックだったが、切り替えてやってきた。次の2024年(パリ五輪)は頭にないが、次の目標も出てくると思うので、そこに向かっていきたい」ときっぱり。29歳の円熟味を増した柔道でさらなる高みを目指す。

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