わがまち回顧2020 本社 新長崎駅開業、高架化も

線路を高架化し、開業したJR長崎駅舎=3月28日、長崎市尾上町

 「ずいぶん変わりましたねぇ」。長崎市を久しぶりに訪れた人々に会うと、こんな感想を聞くことが少なくない。それほど県都の玄関口である長崎駅の移設と、市中心部を走る線路の高架化は、街の表情を一変させた。
 それまで在来線が市街地を寸断し、踏切が渋滞や事故の要因になっていた。梁川橋踏切の遮断機が下りるのは1日約4時間。緊急車両も長く足止めされていた。
 県の事業で3月28日、長崎駅から松山町まで約2.5キロが高架化した。同駅舎は約150メートル西側に移り、浦上駅も仮駅舎から元の場所に戻った。四つの踏切が廃止された。
 新長崎駅は大雨で浸水しなくなり、分散していた執務室が集約され災害対応力が向上。白い屋根は2022年秋に新幹線部分とつながり、船が帆を張るように弧を描く。
 ただ新型コロナウイルス禍で開業記念式典は中止に。観光やビジネスの利用が激減した。それでも来年は西口駅前広場が完成し、周辺ではMICE(コンベンション)施設と高級ホテルが開業。23年には駅ビルも増床する。JR九州長崎支社の西川佳祐支社長は「ロケットには2段目、3段目がある」とアピールする。
 主なニュースは▽新ホールは県庁跡地を断念、市役所移転後の跡地に▽稲佐山スロープカー開通▽長崎くんち奉納踊り中止▽軍艦島「30号棟」崩落拡大。


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