観光客向けトイレ1/4閉鎖状態 台風被害や老朽化 財政面で改修難しく解体も 三浦

洋式トイレにリニューアルされる小網代の公衆トイレ。観光案内板も設置されている=三浦市三崎町小網代

 神奈川県三浦市内にある観光客向けトイレの4分の1が閉鎖されていることが28日、分かった。自然災害や老朽化が原因で、財政上の理由から改修は困難とみられている。

 市観光商業課によると、観光客向け公衆トイレは市内に19カ所設置されているが、5カ所は閉鎖中。そのひとつである三戸浜の公衆トイレは来年3月までに解体する予定だ。

 三戸浜の海沿いに立つトイレは2014年の台風被害で使用できなくなって以来閉鎖され、入り口は板で閉じられている。約200メートル離れた場所には別の公衆トイレがある。

 閉鎖中の残りの4カ所については今後の扱いが決まっていない。観光客向け公衆トイレの多くは1970代などに設置され、老朽化が激しい。市の担当者は「財政面から改修は難しい。そのまま残しておくのもイメージが良くない」と話しており、将来的には解体される可能性が高そうだ。

 一方、シーボニアマリーナの近くにある小網代のトイレは「小網代の森の利用者や釣り客の利用頻度が高い」(市)として来年3月までに改修する。ふるさと納税の寄付金を活用して2020年度一般会計予算に約1300万円を計上。男女計4基の和式トイレをすべて洋式に替え、男子の小便器も個別にする。

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