湘南の海岸を矢馳(やば)せ馬が疾走する-。全国有数の海水浴場として知られる神奈川県藤沢市の片瀬海岸西浜で、来年5月、流鏑馬(やぶさめ)と武者行列が初めて行われる。新型コロナウイルスの収束を願い、江島神社(同市江の島)で神事を行った後、島内や同海岸で武者行列を展開。海岸には全長300メートルの馬場を設置し、勇壮な古式弓馬術を披露する。新たな海岸利用や観光コンテンツとして恒例化を目指す。
同海岸での流鏑馬構想は、同神社の相原圀彦宮司と同市観光協会の湯浅裕一会長が長年温めてきた。世の安寧や天下泰平などを祈願する流鏑馬はコロナ禍にある現在、人々の不安や閉塞(へいそく)感を和らげるためにふさわしい行事であるとして、賛同者が広がった。
さらに今夏、同海岸をはじめ市内海水浴場はコロナの影響で開設中止となった。ウィズコロナ、ポストコロナの新たな海岸利用や観光振興の在り方が課題となる中、実施へ向け地元の機運が一気に高まった。
同神社と市観光協会、藤沢商工会議所、市、交通、観光事業者などで構成する実行委員会が11月に発足。日程は観光客の分散化を図ることなどから、ゴールデンウイーク(GW)後の来年5月8日に設定した。