「家の中の不要品を処分してお小遣いにしたい」「給与の収入だけでは心もとなく副業をしたい」など理由はさまざまですが、ファイナンシャルプランナーである筆者の相談者のなかにも副業に興味がある方や既に始めている方は多いです。確定申告の時期になると申告について不安に感じる方もおられるので、本業とは別に副収入を得た場合の確定申告についてQ&A形式でお伝えします。
継続的に売る場合は注意
Q1.メルカリ・ヤフオクでのお小遣い稼ぎは確定申告が必要?
メルカリやヤフオクで、本やブランドバッグなど販売できそうなものをがんばってお小遣い稼ぎしました。このような収入も確定申告が必要でしょうか?
A1.不要品を売るだけなら不要です。
ただし、継続的に売っている場合は注意です。
(1)もう使わなくなった不用品を売った場合
実は、「生活の用に供している資産」と分類される自分や家族などが利用していた品物を売っても、その売上に対しては税金がかかりません。なので、確定申告は不要とされています 。ただし、貴金属や美術品などで30万円を超えるものには譲渡所得となり課税されます 。
(2)売るものを仕入れて継続的に売った場合
これらは自分の生活の用に供している資産とは言えないので、課税対象になります。そして、給与所得者が20万円を超えた場合は、やはり確定申告が必要です。注意しましょう。
住民税の確定申告が必要
Q2.会社の休日に副業を始めました。確定申告は必要?
コロナの影響もあり、ボーナスが減りました。少しでも家計の足しにと休日に副業をはじめました。会社は副業OKとのことですが、副業の確定申告は必要でしょうか?
A2.会社員の方は、副業の年間所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。
給与収入がある方の副業で、この20万円という数字はとても大切ですので覚えておいてください。
(1)副業で年間所得が20万円を超えると確定申告は必要
会社員が副業のアルバイトで毎月5万円の給与を受け取っていたら年間では60万円。20万円を超えるため、確定申告が必要になります。年末調整をするのは本業の会社のみ。副業の方では年末調整はできないため、確定申告することにより所得税の精算をする必要があります 。
(2)副業で年間所得が20万円以下の場合は?
会社員の方が月に1回か2回ほど単発アルバイト(日雇い)をして給与として、1日10,000円(通勤交通費除く)受け取っていて、年間合計でぴったり20万円だった場合は、本業の会社で年末調整を受け確定申告は必要ありません。
(3)医療費控除など還付を受けたい場合は副業も申請
副業での所得が20万円以下でも、医療費控除などの適用を受けて還付してもらうために確定申告を行う場合には、副業での所得も一緒に申告をする必要があります 。理由は、税金が増える事情(副業)は申告せず、税金が減るようにする事情(医療費控除など)だけ申告するのは駄目ですよという考え方ですね。
(4)注意しなければいけないのは住民税!
確定申告をすると税務署からお住まいの市区町村へ確定申告の内容が通知され、改めて住民税の申告書を提出する必要はありません 。しかし、住民税は金額にかかわらず確定申告が必要です 。税務署で所得税の確定申告をしない場合であっても、市区町村役場で住民税は期限までに申告が必要になります。住民税で確定申告が必要なことを知らず、または忘れていて納期が過ぎてから納める場合、延滞金などのペナルティがありますので、注意してくださいね。
パソコンも経費として認められる
Q3.副業で収入を得るためにかかった費用は経費になる?
副業をはじめるためにオンラインでもできるように新しいパソコンを購入しました。他にもこまごました出費があります。このような出費は経費として認められますか?
A3.雑所得・事業所得などは経費が認められます
仕入れや材料の購入にかかった費用は経費として認められますし、仕事で必要なパソコンも経費として認められます。 経費として認められそうなものは、証拠が必要になりますので、レシートや領収証など大切に保管して確定申告に備えましょう。
また、税務署で申請をし、一定水準の記帳をするなど要件を満たせば、「青色申告控除」 など、税制上の優遇が受けられます。副業でも利益を本格的に上げていきたいと考えておられる場合は、税制の優遇を受けて少しでも支払う税金を減らして家計にプラスにしていきましょう。
会社員でも副業OKの会社も増えましたが、副業の税金の計算はお勤めの会社ではしてくれません。ですので、売上と経費を1年間分自分で計算する必要があります。わからないことは税務署に電話で確認するなどして、安心してお仕事ができるようにしておきましょう。