田中恒成16戦目で初黒星 井岡一翔の強さに脱帽「こんなに差があったのか」 

試合後、井岡一翔と抱き合う田中恒成(右)

4階級制覇はならなかった。ボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(31日、東京・大田区総合体育館)、元3階級王者で同級1位の挑戦者・田中恒成(25)は、王者・井岡一翔(31=Ambition)に8回1分35秒、TKOで敗れた。

世界最速の4階級制覇を狙った一戦。田中は序盤から積極的に攻撃を繰り出し、4Rまでは互角の戦い。しかし、5、6Rに左フックでダウンを奪われ、苦しい展開を強いられた。7Rは田中が粘りを見せるも、8Rに再び左フックを食らい万事休す。快挙達成とはならなかった。

井岡の強さを目の当たりにした田中は、試合後「(実力を)認めざるを得ないと思った。こんなに差があったのかとびっくりした」と、ぼうぜんとした様子。いずれも左フックでダウンを喫してしまい「同じパンチを3回も食らってしまった」と顔をしかめた。

敗れはしたものの、井岡がリング上で「田中選手はこれからボクシング界を引っ張ってくれると思う」とエールを送るなど、潜在能力が高いことは間違いない。この敗戦をバネにしたいところだが、当の本人は「分からないです」と言葉少なだった。

プロ転向16試合目で初めて訪れた試練。壁を乗り越え、ひと皮むけることはできるか。

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