盟友・中村憲剛が引退…現役続けるFW大久保嘉人が語っていた〝将来のプラン〟

昨年末の中村憲剛引退セレモニーに出席した大久保嘉人(手前)

【取材のウラ側 現場ノート】J1通算185ゴールで歴代1位に君臨する元日本代表FW大久保嘉人(38)を取材するようになったのは、サプライズ選出された2014年ブラジルW杯後、J1川崎で点を取りまくっているころだ。率直な物言いと誰に対してもしっかり対応する姿勢は、当初イメージしていた、ちょっと近寄りがたいやんちゃな姿とかけ離れていたのに少しばかり驚いたのを記憶している。

以降は、J1でゴールを積み重ねてきた姿を追いかけてきたが、J1昇格請負人としてプレーしたJ2東京Vでは、負傷により出られない時期もあり、19試合出場無得点。不本意なシーズンを送った。それだけに川崎時代に何度もゴールにつながるパスをもらったMF中村憲剛(40)の引退セレモニーに参加したときには、自身も引退を考えたと明かした上で「自分はあと少し現役でやりたいと思っています」と盟友の前で宣言した。

かねて40歳まで現役でプレーしたい意向を語っており、燃え尽きるまでゴールを目指していくのだろうと直感したが、ふと川崎在籍時に意外なほど現役に固執していない姿勢を思い出した。「サッカーはいつ辞めてもいいと思っている。もっと稼げる方法ならいくらでもあるから」と。年俸1億円(推定)と言われる時に、サッカー以外で、それ以上のことができるのは驚き以外の何物でもなかった。

どうやら何らかの事業を起こす考えのようだ。それはいつからどのように始めるかはわからない。現役引退後は多くの名選手が転身する指導者ではなく、希代の点取り屋は、枠に収まらないスケールの大きいことをやってのけるのだろうか。(サッカー担当・森下 久)

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