ダルビッシュのトレードがバウアーの市場価値にも影響か

今オフのフリーエージェント市場において唯一のエース級の先発投手と目されているのが昨季サイ・ヤング賞を受賞したトレバー・バウアーだ。年平均3000万ドルを超えるような大型契約を手にする可能性が取り沙汰されている一方、「ESPN」のバスター・オルニーは「ダルビッシュ有のトレードがバウアーの市場価値にネガティブな影響を与える可能性がある」と指摘する。ダルビッシュの対価としてカブスが得た交換要員がポイントとなっているようだ。

カブスは昨季サイ・ヤング賞投票で2位にランクインしたダルビッシュと専属捕手のビクトル・カラティーニの2人をパドレスへ放出し、昨季リーグ2位タイの7勝を記録したザック・デービースと有望株4名の合計5選手を獲得した。ただし、カブスが獲得した有望株4名のうち3名は10代の選手で、残りの1名もまだ20歳。メジャー昇格まであと数年はかかると見られる選手ばかりだった。カブスは昨季メジャー有数の活躍を見せ、契約をあと3年も残している先発投手を放出したにもかかわらず、パドレスの球団内でトップクラスの評価を受けている有望株を1人も獲得することができなかったのだ。

オルニーはこのダルビッシュのトレード、つまりダルビッシュの市場価値(交換要員)が予想されていたよりも低かったことがバウアーの市場価値にもネガティブな影響を与える可能性があると考えているようだ。バウアーはダルビッシュより5歳も若く、ダルビッシュが2015年に受けたトミー・ジョン手術のような故障歴もないが、オルニーは「ダルビッシュの(交換要員としてカブスが得た)平凡な見返りは、バウアーが希望している金額を下回る条件で契約することの前兆かもしれない」と述べている。

一部では年平均3600万~4000万ドルの5~6年契約を希望していることが報じられているバウアーだが、ダルビッシュの市場価値がそれほど高くなかったことを考えると、希望通りの契約を手にするのは難しそうだ。

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