カナダはトロント出身の22歳、今世界で最も人気の高いシンガー・ソングライター4枚目のアルバムです。
ハイスクール時代からギターの弾き語りを始め、ネットに投稿した動画がきっかけでレーベルと契約。15年のデビュー・アルバムが全米No.1に輝きます。その端正な容姿でアイドルとしての人気もありますが、優れた作曲能力と官能的なファルセットを聴かせる歌唱が彼の最大の魅力と言えましょう。
ツアーやパンデミックで恋人に会えない環境のなか愛する人への気持ちを歌に込めたラヴ・ソング集と言える内容ですが、前作までにはなかったサウンド面でのアプローチが注目されます。冒頭の「イントロ」から聴けるポップ・ソングらしからぬコーラスやオーケストレーションを使ったシアトリカルなサウンドがアルバム全体をドラマチックな作品に仕上げているのです。ストリーミング版ではショーンが最後に家に戻り愛する恋人（カミラ・カベロ）とクリスマス・ソングを歌う場面まで表現されています。
（ユニバーサル・2500円＋税）＝北澤孝
