長崎市を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、直近1週間の新規感染者が大幅に増えているとして、中村法道知事は6日の記者会見で、県内の感染状況を5段階で示すステージを上から2番目の「4」(特定圏域などでの急増)に引き上げたと発表した。県内全域に特別警戒警報を発令し、不要不急の長崎市内での外出や県外との往来を自粛するよう要請した。要請期間は7~17日の11日間。
県によると、長崎市の百貨店食品売り場でクラスター(感染者集団)が発生するなどし、5日までの1週間で201人の新規感染が判明。ステージ「4」の新規感染者の指標「1週間で193人以上」を超えた。他の五つの指標のうち病床占有率など三つは既に「4」の基準を上回っていた。
5日までの12日間に県内で公表された感染者320人のうち、長崎市は169人と半数超。感染経路不明も同市は15人と、県内全体の20人の75%を占める。
また県内の重症者は9人と増加し集中治療室(ICU)も埋まってきており、必要な医療提供に支障をきたす可能性が高まっているという。
知事は、4日の会見で長崎市と同様に感染が拡大していると指摘した佐世保、壱岐両市について「クラスターの全容がほぼ把握できている」などとし、外出自粛要請の対象にしなかったと説明した。
県は約1週間後に特別警戒警報に伴う要請の効果を検証。感染者数、クラスターの発生状況、人の流れなどを検討し、さらに施策が必要かどうか判断する。