大島渚監督作「戦場のメリークリスマス」「愛のコリーダ」 最後の大規模劇場公開決定

大島渚監督作「戦場のメリークリスマス」「愛のコリーダ」が、「戦場のメリークリスマス 4K修復版」「愛のコリーダ 修復版」として、全国で順次劇場公開されることが決まった。「戦場のメリークリスマス 4K修復版」は4月16日より、「愛のコリーダ 修復版」は4月30日より公開となる。大島渚監督作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショー公開として企画された。

「戦場のメリークリスマス」(1983)は、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、内田裕也といった、本業が俳優ではない顔ぶれをメインキャストに迎え、大ヒットした戦争映画。1942年のジャワ島の捕虜収容所を舞台に、デヴィッド・ボウイ演じる捕虜ジャック・セリアズ少佐とセリアズ少佐に惹かれる坂本龍一演じるヨノイ大尉の関係などを、東洋と西洋の文化を融合させながら描いている。坂本によるテーマ曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」は、英国アカデミー賞の作曲賞を受賞し、その後も広く親しまれている。

「愛のコリーダ」(1976)は、女性が男性の局部を切り取った1936年の「阿部定事件」を題材に、男女の愛欲を描いた作品。松田英子が阿部定を、藤竜也が阿部定と愛し合う吉蔵を演じている。セックス描写のリアルさを追求し、映画での「本番行為」が芸術かエロスかで大きな議論を巻き起こしたことでも話題となった。また、本作の脚本や宣伝用写真などを掲載した同名の書籍が「わいせつ物頒布罪」であるとして、大島渚監督や出版社社長が検挙されたことも注目を集めた。

公開決定にあわせて、成瀬慧が手がけたビジュアルも公開された。「戦場のメリークリスマス」のビジュアルは、坂本龍一とデヴィッド・ボウイの顔を正面から捉えた写真の前に、劇中に出てくる花と刀を中央に置いたデザインとなっている。「愛のコリーダ」のビジュアルは、劇中では長襦袢や鮮血などの色として登場する“赤”を基調とし、火の粉が舞う中で抱き合う松田英子と藤竜也の姿がデザインされている。

戦場のメリークリスマス 4K修復版
4月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
©大島渚プロダクション

愛のコリーダ修復版
4月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
©大島渚プロダクション

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