大雪で街並み一変 長崎各地で生活に影響、けが搬送も

路面電車の線路の除雪を行う作業員=9日午前10時31分、長崎市浜町

 強い冬型の気圧配置となった長崎県内は9日、各地で断続的に雪が降り、長崎市では10センチ超の積雪を観測する大雪に見舞われた。交通機関はまひし、市内の商業施設は臨時休業。慣れない雪道で転倒する人も出るなど、市民生活に大きな影響を与えた。
 大雪により、長崎自動車(長崎バス)は終日、全線で運休。県営バスも長崎市内を走る路線バスの運行を取りやめた。長崎電気軌道の路面電車は始発から運転を見合わせたが、午後から再開。県内の高速道路は、ほとんどの区間で通行止め。多くの国道、県道でもチェーン・スノータイヤ装着の交通規制となった。空の便も離島や東京を結ぶ便などが欠航した。

路面電車が一時運休するなど、積雪の影響で交通量も少ない市街地=9日午前11時48分、長崎市川口町

 長崎市茂里町のバスセンターでは、来ないバスに困惑する人の姿が見られた。帰省のため長崎空港に向かっていた市内の男子大学生(20)は「高速バスが出ないので、JRで途中まで行くようにする。予想はしていたが不便」。昨夜は会社で一夜を明かしたという市南部に自宅がある男性会社員(47)は「さすがにバスは動くだろうと思っていた。歩いて帰るのも難しいので、また会社に泊まらないといけないかも」とため息をついた。
 市内にあるみらい長崎ココウォークとアミュプラザ長崎は一部店舗を除き臨時休業。県美術館と長崎歴史文化博物館も臨時休館の対応を取った。
 積雪によるけが人も出た。長崎市消防局によると、男女7人が雪道で滑ってけがをした。佐世保市消防局によると、女性(74)が転倒して右足首を負傷。県によると、五島市でも80代女性が玄関先で転倒し、救急搬送された。
 また長崎市内では9日、水道管の凍結や破損の連絡が約40件あった。10日も冷え込みが続く見通しで、市上下水道局は、露出した水道管はタオルで巻くなどの対策を呼び掛けている。
 一方、西彼時津町の青雲中は9日に入試を実施。降雪の状況を見て、試験の開始時間を1時間繰り下げた。大きな混乱はなかったという。受験生の母親は「今朝はタクシーで来た。周囲が大雪で騒いでいるから、本人は余計緊張したかもしれない」と話した。


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