森喜朗会長を黙らせろ! 五輪暗雲でIOCが〝失言王〟に怒髪天

森会長の失言がIOC内で不満を買っているという(代表撮影)

〝失言王〟への不満がついに海外でも爆発だ。新型コロナウイルスの感染爆発で今夏の東京五輪開催がピンチを迎える中、大会組織委員会の森喜朗会長(83)が国際オリンピック委員会(IOC)をはじめとした海外の五輪関係者から「もうしゃべらせるな!」と怒りを買っている。いったい、どういうことなのか――。

森会長の失言癖は国内では広く知られるところ。フィギュアスケートの国民的ヒロイン、浅田真央(30)の2014年ソチ五輪の演技について「大事な時には必ず転ぶ」と発言して国民の怒りを買った。この時はさすがに反省のコメントを残したが、〝持病〟が治ったわけではない。

新型コロナウイルス禍が深刻になった昨年2月のイベントでは「選手諸君は気を付けて、ウイルスをもらわないように」と注意した後に「私はマスクをしないで最後まで頑張る」と言ってひんしゅくを買った。首相時代から数々の失言でバッシングを浴びた〝実績〟はダテではなく、五輪開催へ厳しい目が向けられる最近も「(開催へ)不安は全くない」「こういう時期になぜあえて世論調査するのか」など五輪反対派を逆なでする発言を連発。これにはIOCも看過できなくなってきたという。

IOCは21日に各委員との電話会議、22日と25日には各国・地域オリンピック委員会(NHC)、各国際競技連盟(IF)とそれぞれ会議を行った。五輪開催への善後策を模索する議論の中、その出席者から「森が日本で発言するたびに状況が悪くなる」「国民への誠意がなく、言葉が足りなすぎる」「自ら首を絞める発言ばかりだ」とクレームが殺到。関係者によると「IOCは日本の全ての新聞をチェック。その分析はCIA(米中央情報局)並み」とのことで、森会長の発言は一字一句、海外へ筒抜けとなり、問題視されるようになった。いまや五輪への風当たりの強さは「森の失言が起因」と結論付けられているほどだ。

当の本人は年頭あいさつで「私の悪口ばっかり。(首相の)菅(義偉)さん以上。森内閣でもこんなにひどくなかった」と自虐的に話したが、もはや不人気ぶりは世界規模。本来なら一致団結しなければならないIOCやIFをも敵に回すとは…。失言癖は冗談では済まされないレベルになってきており、先行きは暗くなるばかりだ。

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