鳥居は邪なものとの境界【木造駅舎巡礼10】山陰本線07

※2020年8月撮影

トップ画像は、JR西日本山陰本線人丸駅。駅名が一風変わっているので過去に山陰本線で通った時に駅名標を撮ったことがあります。それで個人的に印象に残っている駅です。でも駅の所在地は山口県長門市油谷新別名字上江。地図で探すと人丸という地名は駅の東600mほどにある八幡人丸神社の周辺です。駅名というのは、単純に地名というものだけではないのです。開業した時の政治的な情勢などが複雑に反映された結果もあるのです。人丸駅がそうだというコトではありませんが。

人丸駅の前に、風景をご覧ください。長門粟野駅を出発してすぐの写真です。国道191号線が山陰本線と海際を並走します。北側には油谷湾の美しい海景。国道の陸側に山陰本線が通っていて、基本的には車窓から写真と同じ景色が見えます。左が長門粟野駅から見えた串山(56.4m 島です)。右は油谷島。斯様に山陰本線の車窓から美しい海景が堪能できます。

※2020年8月撮影

右手(東側)には長門市の半島が見えます。油谷島という名前ですが半島と地続きです。

※2020年8月撮影

湾に浮かぶ海上灯台。海の青が綺麗ですね。

※2020年8月撮影

この景色の直後、山陰本線は短いトンネルに入ります。国道にはトンネルはありません。

人丸駅出入口には赤い鳥居があって「元乃隅神社」という扁額がかかっています。2017年(平成29年)11月に設置されました。駅を利用する度に鳥居をくぐるという珍しい駅です。余談ですが、宗教上の理由で鳥居をくぐらない知人がいました。この駅の場合はどうするのか・・・ありゃ、鳥居の向こうから駅に入れますね。(笑)正直言って筆者の様な唐変木には宗教的禁忌というものがよく分かりません。

※2020年8月撮影

駅出入口の横に「元乃隅神社」の案内看板がありました。クルマで20分程の場所なので、123基の鳥居のトンネルと6mの大鳥居を見に行きたかったのですが、この日の旅程、時間が読めないので泣く泣く諦めました。

※2020年8月撮影

駅舎待合室には複数の利用者が居ました。おそらく11時9分の上り長門市行列車に乗る方々ですね。爺様のアロハ、カッコ良い!

※2020年8月撮影

改札口から駅出入口。鳥居の赤が強烈。

※2020年8月撮影

出入口から駅前広場。ロータリーがあります。

※2020年8月撮影

駅舎側は下り単式3番線ホーム。見えている島式ホームは上りホーム。奥が1番線、手前の駅舎側が2番線です。出入口の赤鳥居「元乃隅神社」の観光案内があります。

※2020年8月撮影

本当に風光明媚な場所にある駅です。そして赤い鳥居がちょっと不思議な雰囲気です。

(写真・文章/住田至朗)

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