韓国と博多結ぶJR九州高速船 対馬寄港の継続を 経済2団体、市民署名と要望書提出

比田勝市長に、署名と要望書を提出する江口会長(右)、山本会長職務代行者(中央)=対馬市役所

 韓国・釜山-対馬・比田勝-博多をジェットフォイルで結ぶJR九州高速船(福岡市)が、新型コロナ禍で運休している国際線の再開後は長崎県の対馬に寄港しない意向を示していることを受け、対馬観光物産協会と対馬市商工会は9日、対馬寄港継続と、対馬・比田勝-博多で国内線客が相乗りできる「混乗便」再開に協力を求める3046筆の署名を比田勝尚喜市長に提出した。
 対馬市などによると、対馬寄港は2011年4月の釜山-対馬の臨時便就航で始まり、対馬-博多の混乗便は18年7月から定期運航開始。それまでフェリーで約6時間かかっていた比田勝-博多を約2時間に短縮し、対馬北部地区住民の生活環境改善に役立っていた。
 しかし、新型コロナ禍のため昨年3月7日から混乗便が運休。釜山-博多の国際線直行便も同月9日から止まり、同社は「事業規模を縮小し収支改善を目指すため」として昨年11月、国際線再開後は新船による直行便1隻体制とし、保有している3隻のジェットフォイルの売却も検討する方針を明らかにしていた。
 9日、市役所を訪れた同協会の江口栄会長と同商工会の山本博己会長職務代行者が、市民から集めた署名と、同社に市民の声を届けることなどを市に求めた要望書を提出。比田勝市長は「皆さんの声をお届けしたい」と応じた。

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