注意していても被害22.6% 長崎県警が特殊詐欺被害者アンケート

 長崎県警は、2020年に認知した県内の特殊詐欺事件の被害者を対象としたアンケート結果をまとめた。「だまされるかもしれないと思い注意していた」との回答が22.6%(前年比19.3%増)に上り、注意しながらも被害に遭っていることが浮き彫りとなった。県警生活安全企画課は「犯人と会話するとだまされる。知らない番号には出たりかけたりしないで」と呼び掛けている。
 アンケートは、県警が特殊詐欺被害の実態を把握し対策に生かすため17年に開始。被害者の意識や犯人の手口などを選択式で質問。昨年は被害者38人のうち31人から回答を得た。
 同課によると、犯人に対して38.7%が「半信半疑だった」と回答。被害者は「後日返金すると言われた」「大手の会社名を名乗った」「話をするにつれて信用してしまった」といった理由から、疑いつつも結果的に被害に遭っていた。
 一方「詐欺について考えたことはない」「だまされないと思っていた」との回答が前年比28.9%減の67.8%だったが、依然として大半の被害者が特殊詐欺への警戒意識が低かった。
 同課は「以前より特殊詐欺に関心を持つ人は増えたかもしれないが、注意してもだまされる。自動通話録音機など電話機の対策をさらに広めていきたい」としている。
 県内で昨年発生した特殊詐欺被害の認知件数は38件、被害総額は約1億1226万円だった。特殊詐欺の「阻止件数」は87件で、阻止率は70.7%。全国平均の45.7%を大きく上回った。阻止機関はコンビニが約6割を占めた。

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