オートバックスセブン、IoTプッシュボタンを活用したタクシー配車の実証実験を実施

現在、人口減少や人手不足の問題から、公営バスやタクシーなど、従来型の移動サービスを維持することが難しい地域も出てきている。このような地域に住む高齢者の中には、自家用車や携帯電話を所有しておらず、買い物や外出の際の移動に対するハードルが高いと感じている人がいる。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、公共交通機関の利用者減少も顕著であることから、交通事業者においては厳しい状況が長引くものと考えられる。このように、過疎化の課題を持つ地域においては、特に高齢者に向けた移動手段の確保が喫緊の課題となっている。株式会社オートバックスセブンでは、大分県と地域活性化に関する包括連携協定を締結し、地域活性化に関する8つの取り組みを行っている。その取り組みの一つである介護・福祉分野における移動支援・生活支援として、有限会社野津原タクシーと株式会社双葉タクシーと共同で、2021年2月15日~同年3月12日に大分市野津原地区において「IoTプッシュボタンによるタクシー配車実証実験」を実施する。同実証実験では、9.7cm×3.7cm、重さ40gでGPS機能が搭載された「IoTプッシュボタン」を地域の高齢者に4台配布する。高齢者が病院や買い物へ出かけるときや外出先から自宅に戻りたいときにIoTプッシュボタンを使用することで、自動的にタクシーの配車依頼が可能となる。ボタンを押すだけで配車依頼ができるため、携帯電話を持たない人やモバイル機器に不慣れな人でも、簡単に利用できる。また、GPS機能により体調不良や転倒など緊急時の呼び出しとしても利用でき、高齢者の見守りサービスの活用にも期待できる。安定的な利用者の確保を図ることで、タクシー事業者の新たな移動サービス開発を支援し、地域交通の活性化に貢献する。同実証実験における各社の役割は以下の通り。

  • 野津原タクシー:運行主体(実車・ドライバー)
  • 双葉タクシー:運行管理(配車)
  • オートバックスセブン:システムおよび機器提供

なお、同実証実験は大分県が2019年度から推進している「次世代モビリティサービスの在り方に関する検討会」にて採用されている。

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