【解説】佐世保重工業(SSK)の歩み

 佐世保重工業の誕生は1946年10月1日。旧海軍工廠(こうしょう)の設備を継承する形で佐世保船舶工業として設立された。この前身の社名の略称が「SSK」だ。

 旧軍施設だったこともあり、長く新造船建造は禁じられた。新造第1船「永邦丸」が世に送り出されたのは54年1月。「全従業員が感涙した」とされる。62年10月には当時世界最大のタンカー「日章丸」を完成。佐世保の基幹産業として地域経済を支えた。
 造船不況の中、70年代には経営危機に直面。再建の過程で、原子力船むつの修理受け入れやSSK紛争と呼ばれた大争議、大規模な人員整理などの「荒波」に翻弄(ほんろう)された。佐世保港は水域の大部分を米軍に提供しており、岸壁使用を巡っても米軍と競合。操業には制約が付きまとった。
 2014年10月、名村造船所と経営統合。同社の完全子会社として再スタートを切った。それから約6年4カ月。中核の新造船事業の休止が発表された。

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