雲仙岳火山防災協 溶岩ドーム崩壊への対応検討 分科会に機能引き継ぎ確認

ソフト対策検討委を分科会として引き継ぐ方針などを確認した雲仙岳火山防災協議会=島原市役所

 普賢岳を含む雲仙岳の火山災害に備える雲仙岳火山防災協議会(会長・中村法道知事)は17日、テレビ会議を実施。普賢岳噴火活動で形成された溶岩ドームの大規模崩壊への対応を検討するソフト対策検討委を同協議会に取り込み、新年度からは分科会として機能を引き継ぐ方針などを確認した。
 国や県、島原半島3市などの関係者約20人が出席したテレビ会議での本年度会合で承認した。機能の引き継ぎは、同検討委事務局の国土交通省雲仙復興事務所が1993年から進める砂防ダムなどの整備事業が本年度で完了し、3月末で同事務所が廃止される組織改編に伴う措置。
 崩壊に備えたソフト対策を話し合う同検討委(委員長・下川悦郎鹿児島大名誉教授、15人)は2014年に発足。溶岩ドーム監視態勢の運用見直しなどの提言を担ってきた。
 同検討委の機能を引き継ぐ新組織として、同協議会内に溶岩ドーム崩壊危険度判定分科会を発足させ、溶岩ドーム観測結果の報告や観測データに基づく監視基準の妥当性を検証する業務などに当たる。
 この他、3月末で期限を迎える普賢岳周辺の警戒区域(約950ヘクタール)について、3市が1年間延長する方針も確認。新年度の重点取り組み事項として、眉山崩壊に備えた各種対策を推進する。
 同協議会は活動火山対策特別措置法(活火山法)改正で設置が義務化されたことを受け、16年3月に発足。県や3市、国などの29機関で構成する。

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