投手王国・ソフトバンクに異変? 紅白戦で打高投低の〝珍現象〟

紅白戦に登板した尾形

ソフトバンク宮崎キャンプの紅白戦で打高投低の〝珍現象〟が起きている。6イニング制で行われた20日の紅白戦は両軍合わせて16安打、11得点。B組から参加した尾形が2イニングの登板予定だったが、1回3失点で緊急降板したため、白組の6回裏の攻撃は行われず打ち切りとなった。

7イニング制で行われた前日19日の紅白戦も打線が合計18安打9得点と爆発。登板した8投手のうち6投手が失点している。

通常、キャンプは投手のほうが仕上がりが早い。しかもソフトバンクといえば、昨季、12球団で唯一の2点台となるチーム防御率2・92をマークした投手王国。さらに二軍の若手投手陣を含めてハイレベルなメンバーが揃っていることでも知られている。それなのになぜか今キャンプでは投打が逆転しているのだ。

チーム関係者はこの現象に「いい意味で取れば、小久保ヘッドが振り込ませたりと、若手野手に競争が生まれていることがいい影響となって出ているということだろうけど」と言いつつ「この時期は投手陣のほうが仕上がっているもの。悪く見れば投手陣がちょっと心配」と複雑な表情を浮かべた。

工藤監督は「紅白戦だと内角の厳しい所に行けるかというと難しいところもある。そういうのもあるんですけど、ちょっとストライクを取るボールが甘かった。野手はそういうのをしっかり捉えて打っているから仕上がっているとみています」と打線の出来上がりが例年より早いと分析。その上で投手陣を「伸びしろしかないです」と擁護すると「何かをいっぱいやらなきゃいけないということではなく、意識して練習して、その結果を出せるようにすることが大事だと思います」と奮起に期待した。

鷹のキャンプで起きた〝珍事〟。単に一過性のものなのか。今後の展開が気になるところだ。

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