「NAGASAKIの空より!!元気と平和が届きますように」。長崎市岩見町、無職の池田政司さん(70)は、東日本大震災で亡くなった友人らを追悼するため、自身で作製した長崎伝統のハタを毎年揚げ、東北の空に思いをはせている。
約40年前に東京の文具メーカーで働いていたころ、同僚に福島や岩手、宮城3県の出身者が多かった。震災後、人づてで津波で亡くなった同僚もいると聞いた。
「空はつながっている」との思いから震災翌年以降、東北に向けて4種類のハタを作製。竹と障子紙を使い、子どものころに「小川ハタ店」(長崎市)で学んだ方法で作った。
2013年の作品「東北の空」は、青い空や海をイメージした水色と、東北の黄金の稲穂畑をイメージした黄色で色付け。「そのような景色が戻ってほしい」との願いが込められている。ほかにも平和を叫ぶイメージの「ガンバレ!!東北」や、苦境に立った人の目を表現した「赤い目」などがある。
池田さんは「10年たっても大変な状況は変わらない。1年に1度でもハタを通して空から東北への思いを届けたい」と祈りを込めた。
東北の空に思いはせ ハタ揚げで友人ら追悼 長崎の池田さん
- Published
- 2021/03/10 23:31 (JST)
- Updated
- 2021/03/11 17:10 (JST)
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