仕事中コロナ感染 労災請求を 長崎労働局が呼び掛け

 仕事で新型コロナウイルスに感染したとして1月以降、長崎県内で労災請求が続いている。3月9日までに32件。調査を終えた3件を3月上旬までに労災認定した。新型コロナの感染収束が見通せず、長崎労働局は積極的な請求を呼び掛けている。
 労働局によると、各労働基準監督署が労働者の感染経路が仕事なのか私生活なのかを案件ごとに調査。仕事での感染が認められれば、治療費や休業補償を受けられる。
 全国では、クラスター(感染者集団)が発生した飲食店で接客したことで感染したと認められた店員や、感染経路が特定されなくても日々、海外客を含む数十人の客を乗せたタクシー運転手らが労災と認められている。医師や看護師、介護従事者らについては、私生活での感染が明らかでなければ原則、認定する。
 労働局によると、昨年は新型コロナを理由にした請求はなかったが、1月に3件、2月に25件、3月に4件(9日時点)あった。認定した3件について労働局は「個人が特定されかねない」として業種などを公表していない。残る29件は感染経路などを調査中。現時点で不認定になったケースはないという。
 労働局は、仕事中のコロナ感染が労災であることが十分に浸透していないとみており「仕事が感染原因と考えられる場合は積極的に請求してほしい」と話している。

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