「男」村田修コーチが目を細める背番号25後継者・岡本和の成長「あと20年できる」

岡本和と話す村田修コーチ

「男・村田」が戦いの最前線に帰ってきた。昨季までの2年間、若手の底上げに尽力してきた巨人・村田修一野手総合コーチ(40)が今季から一軍に昇格し、育成から勝負の世界へ身を投じた。どんな指導者となり、リーグ3連覇と日本一へ押し上げるつもりなのか。そして、かつては自主トレ仲間でもあった坂本勇人内野手(32)や岡本和真内野手(24)の姿はどう映っているのか。本紙のインタビューに胸中を独白した。

――今季から一軍コーチに。どんな思いか

村田修コーチ:一軍のコーチは初めてなので手探り状態ですけど、いろいろなコーチの方の動きを見ながらサポートできればいいのかなと思っています。指導者になって原監督と付き合うのは初めてですし、勉強もしたいなと思いますね。

――二軍コーチ時代と指導法の違いは

村田修コーチ:育てるというよりは、勝ちに近づけるように何かできないかなと。自分らしく、自分で育っていってほしいですね。自分で「レギュラーを取りたい」、「こういう打撃をしたい」と思わない限り、練習もしないし、続かない。人に決められたことはなかなか続かないので、自分で決断してほしい。悩んでいる時は「大丈夫か?」と話したいと思いますが、打ち方や構えがどうのというのは、言い方は悪いけど、自分で考えてほしい。一軍という扱いをされている以上、結果がモノを言う世界ですから。

――レギュラーと二軍選手の違いをどこに感じるか

村田修コーチ:自分の立ち位置がある選手は慌てないですし、バタバタもしない。若い選手はミスをしてもアウトになっても「次はひっくり返してやる」という気持ちにならないことには絶対にレギュラーを脅かせない。そういう強い気持ち、自分で腹をくくらないといけないでしょうね。

――坂本や岡本和とはコーチとして初めて一軍で向き合っている

村田修コーチ:勇人はあんまり変わってないですかね。接し方も変わらないですし、友達感覚で話してきますし(笑い)。それで構わないと思います。困った時に「修さん、どうすか?」というのは聞いてきてほしいですけど、彼なりの考えもあると思いますし。野球に対しては真剣にやる選手ですし、ありがたいなと思いますね。

――岡本和はどうか

村田修コーチ:ノンビリしている部分もあるんですけど、やっぱり野球にしっかり取り組んでいます。僕が(2017年オフに巨人から)自由契約になっていなくなったら、パーンと出てきたじゃないですか。心と体の準備ができていたのかなと。一気に成長してくれてうれしいです。それに、試合の時もうれしいことがあるんです。

――というと?

村田修コーチ:自分が現役の時に25番をつけてサードに行くことはあっても、誰かが「25」をつけてサードに行く姿は見ていなかったので。そういう意味ですごくうれしいなと思いますね。しかも、同じ背番号を引き受けてくれた選手が中軸で長距離を打ってくれて、同じポジションを守ってくれて、昨年は(本塁打と打点の)タイトルまで取ってくれて…。背番号25は和真の番号だとみんなも思ってくれていると思います。その背番号はこれから先も受け継いでほしい背番号ですし。次に誰かに渡す時に、胸を張って渡せるような選手になっていってほしい。まだ20年ぐらいは(現役で)できると思いますし。

――宮崎キャンプでは初めて直接ノックを受けて喜んでいた

村田修コーチ:守備の話は和真も興味があるみたいで、よく聞いてきますね。やっぱり試合に出るからにはゴールデン・グラブ賞を取ってほしいですよ。僕は時間がかかりましたけど、自分がエラーしなければ何とかなる話なので。打撃の方は試行錯誤しているので「打席にたくさん立った方が調子が出てくる」ということで宮崎の時から(紅白戦などに)出て。性格的に慌てる人じゃないから、開幕からいいスタートを切れるように見守ればいいかなと。

――キャンプ中の宿舎ではヒマで韓流ドラマにハマっていたとか…

村田修コーチ:ホテルとグラウンドの行き来ばかりだったから、やることがなかったみたいで。「1か月がいつも以上に長く感じますねえ」なんていう話をよくしましたね。韓流スターみたいな髪形になってるし…。まあ、いいんじゃないですかね(笑い)。

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