「震災報道の意義」をEXITと考える 兼近「震災報道まで“面白ければいい”となってしまうのはクソみたいな話」

ABEMAが、「ABEMA NEWSチャンネル」にて、ニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

■総務省接待疑惑に兼近大樹「一般企業はもちろん、芸能界もズブズブ。だからこそ疑う気持ちが分かる」

2021年3月11日(木)夜9時からの放送では、総務省幹部がNTTから高額接待を受けたとされる問題を報じた。

番組MCを務めるお笑いコンビ・EXITの兼近大樹はこのニュースを受けて、「すごく思うのは、メシの時に仕事の話をして、仕事をもってくることは一般企業だったら当たり前にあるということ。だからこそ、接待があるんじゃねーかとみんな騒いでいるんだと思う」と指摘。さらに、「芸能界なんか、特にズブズブでやっている。上の人たちなんて接待をガバガバやっていると思う。酒飲んで『うちの人をお願いします。ゴリ押しさせてください』『まかせてくださいよ』みたいなやりとりは絶対にある。僕でも知ってるぐらいなので。NTTと総務省の間でも、同じようなことがあんじゃねーのって疑っちまう気持ちは分かる」とコメントした。

また、兼近は「地べた這いつくばって頑張っている企業がある。芸能界でいえば、あるタレントがゴリ押しされているのを見て、『なんで俺のほうが実力あんのに、あの人ばっかり出てんだよ』と思っている人もいる」と地道に頑張る人との不公平感に触れた上で、「どういう内容を話したのか。実際に仕事につながるようなことがあったかどうかという説明を聞きたいと思う」とルールに則っていないのであれば説明責任があると訴えた。

**■「震災報道の意義」をEXITと考える りんたろー。 「見ている人もバカじゃないから気付き始めている」 **

兼近「震災報道まで“面白ければいい”となってしまうのはクソみたいな話」

『ABEMA Prime』では、2021年3月11日(木)で東日本大震災から10年を迎えるのに際して、1週間にわたって「3.11から10年」と題したシリーズを展開している。木曜の放送では、番組MCを務めるEXITと共に「震災報道の在り方」をテーマに議論。被災者の心情を蔑ろにするような過剰取材など、災害のたびに噴出するメディアへの厳しい指摘に目を向け、震災報道の果たすべき使命や意義について考えた。

「発言を切り貼りされて不本意な編集をされた」「取材クルーからぞんざいな扱いを受けた」といった被災者から批判について、りんたろー。は「僕たちもテレビで言いたくないことを言わされたり、都合のいいところだけを使われたりと、似たような経験をしたことがある。テレビに慣れている芸人の僕らはいいけれど、一般人の方、しかも被災されて傷ついている方なら、なおさら慎重にケアすべき」と苦言を呈した。また、震災報道の在り方については、「各局が同じような映像を流しているところも変わらないといけない。そうやってどんどん衰退してきたと思うし、見ている人もバカじゃないから気付き始めている。もっと違う角度で災害を報じるテレビ局や番組があってもいいのかなと思う」とコメントした。

相方の兼近大樹は、「東日本大震災が起きた当時は、19歳だった。震災のことは何年か経ってテレビのニュースを見て知ったが、その時は『こんなにひどいことがあって、つらい思いをした人がいたんだ』っていうことしか分からなくて。そこから一歩進んで、『被災者のために何ができるんだろう』ってところにたどり着けるような報道にはなっていなかったと思う」と述懐。続けて、「僕のようにクソみたいな人生を送ったヤツが震災のことを知れただけでも意味はあったと思うが、『何ができるか』まで教えてくれれば、もっと深く入っていけたのかなと思う。そして報道、ニュース番組というのは、事実を受け取るためにあると思うし、面白いか面白くないかはバラエティー番組が担えばいい。報道まで“面白ければいい”となってしまうのはクソみたいな話だ」と訴えた。

一方で、これまで何度も被災地に足を運び現場で取材した経験を持つ、本番組の進行を務めるテレビ朝日の平石直之アナウンサーは、「私も本当に申し訳ないと思う。取材されたこと、放送されたことにより傷つくという、あってはならないことが現実には起きている」と率直な胸の内を明かした。その上で、「それでも震災に限らず、事件・事故も含めて、こういう節目に放送する意義はあると思う。今なお苦しむ人がいて、覚えておかないといけない教訓があったとしても、時間が経てば経つほど放送するタイミングが難しくなってしまう。そこで私が言えることは、『メディアを選んでください』ということ。そして私たちは、“選ばれるメディア”にならないといけないということ。荒らして帰るような“狩猟型”の取材ではなく、種を撒き、繰り返しお会いする中で信頼関係が芽生えていくような、“農耕型”の取材をしていきたい」と力強く語った。本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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