移籍後初の出場機会なしの久保 守備的戦術の徹底で遠のくスタメン復帰

ピンチの久保

さらなる悪夢の幕開けか――。スペイン1部ヘタフェの日本代表MF久保建英(19)が、13日のアトレチコ・マドリード戦で移籍後初となる出場機会なしに終わった。

相手はリーグ首位を走る強豪。ホセ・ボルダラス監督(57)は勝てなくとも、引き分けに持ち込んで勝ち点1をもぎ取るつもりで、この日もチームの基本布陣である4―4―2で守備的に戦うことを選択した。守備力を評価されていない久保が先発に入らないのは、いつもの光景となった。

しかも、この戦術がハマって、後半25分にDFアラン・ニョム(32)の一発退場で10人となっても体を張った守備で勝利にも等しいスコアレスドローに持ち込んだ。スペイン紙「マルカ」によると、指揮官は「これが我々の進むべき道であり、選手たちもそれを理解している」と満足げに振り返った。

ボルダラス監督がAマドリード相手に改めて守備的戦術の自信を深めた状況は、久保のさらなる出場機会減少を意味する。1部残留へ勝ち点を少しでも加算したい今後の戦いで、失点の原因となりかねない選手のスタメン復帰は難しい。同様の理由でリードしている場面や同点の場面での途中出場も激減する恐れがある。

もはや〝肉弾戦〟で1部残留へかじを切ったチームに居場所はない。〝日本の至宝〟は、今季終了まで悶々とした日々を過ごすことになりそうだ。

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