ソフトバンク・工藤監督 一軍合流・柳田に即「4番指名」の真意

一軍合流初戦は2打数無安打だったソフトバンク・柳田

「4番、センター、柳田」に場内が沸いた。ソフトバンク・柳田悠岐外野手(32)が16日、一軍に合流。DeNA戦(ペイペイ)に「4番・中堅」で先発し、3・26開幕戦への最終調整に入った。

1月の自主トレ中に発症したアキレス腱痛で宮崎春季キャンプからリハビリ調整。だが、開幕に照準を合わせ「100%で仕上げる」という言葉通り、慎重かつ、主砲としての責任のもとに万全の調整を積んできた。試合前にはファンに向けて「まだ開幕してないんで、期待せんといて見てもらえればと思います。開幕したら、しっかり期待してください」とギータ節でメッセージを送り、改めて開幕戦に「完全体」で立つことを約束した。

計画通りの合流。チーム内に調整不足、調整遅れを誰一人として懸念するものはいなかった。ある主力選手は言った。「言わんでもやる人間だし、分かってる人間。そういう選手だから、誰も心配してないでしょう」。チームからの「大黒柱」としての信頼感は絶大だ。実績を重ね、周囲の見方も変わってきた。ピュアな心はそのままに、振る舞いはナインの「模範」となっている。

そんな主砲の姿に、首脳陣は「看板」を背負ってプレーすることを求めている。工藤監督が言う。「本人は『4番だけはちょっと…』って言うが、もうそんなことを言っていてはいけないのかなと。チームの中心であり、打線は彼が中心になるわけだから」。押しも押されもせぬ大黒柱。柳田へのメッセージだった。

この日は、予定通り5回で退いた。2打数無安打だったが、すでに戦闘準備は整っている。「長い戦いが始まる。相手にも、自分にも、負けないように頑張りたい」。鷹党が待ちわびた力強い肉声。主役がついに帰ってきた。

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