【NBA】通算1000得点達成の八村にKJが注文「もっと試合中に強くアピールを!」

試合中のアピールを求められた八村(ロイター=USA TODAY)

【KJ松井のCatch&Shoot(58)】エースになるために必要なものとは――。米プロバスケットボールNBAワシントン・ウィザーズの八村塁(23)は12日(日本時間13日)のフィラデルフィア・セブンティーシクサーズ戦で通算1000得点を達成。翌日のミルウォーキー・バックス戦では今シーズン自己最多の29得点を挙げた。一方、チームは3連敗で東カンファレンス12位に低迷。本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(35)は八村に「もっと試合中に強くアピールを!」と求めた。

八村選手の通算1000得点は、アジア人ではヤオ・ミン(ロケッツ=中国)とイー・ジャンリャン(ネッツなど=同)に続く3人目の記録となりました。2人はNBAでプレーした期間がそれほど長くはなかったので、八村選手は今後5000点、1万点と積み重ねていって、ヤオ・ミンの通算9247点を抜いてほしいですね。

翌日のバックス戦では3本のスリーポイントシュートを決めるなどして29得点。ですが、チームは119―125で敗れてしまいました。八村選手の得点の内訳を見ると第3クオーター(Q)までに29得点しているのに対して、第4Qはシュートを打ったのは4本だけで無得点。ラッセル・ウエストブルック(32)が11本中6本のシュートを決めて16得点したのとは対照的です。

せっかく好調でも「勝負どころの第4Qは点を取っていないじゃないか」と言われてしまわないように、八村選手は試合中にチームメートに対して「今日は調子いいから、もっとボールを回してくれ」と要求してもいいと思います。例えば、タイムアウトでは最初は監督やコーチ陣が作戦を話し合い、選手だけで座っている時間があります。ここで「もっとボールをよこせ」と積極的にアピールするのは全然あり、ですから。

バックス戦ではヤニス・アデトクンボ(26)とマッチアップする状況もありながら29得点。昨シーズンはロサンゼルス・クリッパーズ戦で30得点したように、強いチームが相手でも点を取る力があることは証明しています。一方で、バックス戦の前までは6試合のうち5試合で得点が1桁と、最近は調子の波があります。

1試合に15得点は期待される選手ですから、弱いチームが相手でもしっかり点を取ることでウィザーズの勝利につなげてほしいですし、調子がいい時も試合の中で波がないようにしていきたいですね。

☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。

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