パドレス・ラメット スロー調整でシーズン出遅れが濃厚に

昨季サイ・ヤング賞の投票で4位にランクインする活躍を見せ、パドレスのエースへと成長したディネルソン・ラメットは、シーズン開幕が2週間に迫った現時点でまだオープン戦のマウンドに立っていない。右肘の故障で昨年のポストシーズンを欠場し、慎重に調整を進めているのがその理由だ。すでに紅白戦で登板する段階には達しているものの、首脳陣は調整を急がせない方針のため、シーズン開幕を故障者リストで迎えることになりそうだ。

現在28歳のラメットはメジャー3年目のシーズンとなった昨季、12試合に先発して69イニングを投げ、3勝1敗、防御率2.09、93奪三振の好成績をマーク。サイ・ヤング賞の投票ではトレバー・バウアー、ダルビッシュ有、ジェイコブ・デグロムに次ぐ4位にランクインした。しかし、シーズン終盤に右肘を痛め、ポストシーズンを欠場。スプリング・トレーニングでは故障の再発がないようにスロー調整を強いられている。

日本時間3月19日には紅白戦で登板し、初めて複数イニングを投げた。ジェイス・ティングラー監督は「球速は出ていたけど、制球力があまり良くなかった。でも、ボールの威力自体は良かったから安心したよ」とコメント。次回登板はオープン戦(もしくは練習試合)になるとみられており、無理をせず、戦列復帰へのステップを1つずつ確実にこなしていくことになる。

今季のパドレスは10月の戦いを見据えており、1年間を通した戦いを考えたときに、ラメットがシーズン序盤を欠場するのは決して悪い話ではない。無理をして早期復帰するよりも、万全の状態で10月を迎えてくれるほうがチームとしては助かるからだ。よって、開幕時点では故障者リストに登録し、コンディションが整った状態で戦列復帰させることになりそうだ。

ラメットの出遅れが濃厚となり、ダルビッシュ、ブレイク・スネル、ジョー・マスグローブ、クリス・パダックに次ぐ先発5番手は若手左腕エイドリアン・モレホンが最有力。ただし、ライアン・ウェザースとマッケンジー・ゴアの有望株コンビもその座を狙っており、シーズン開幕までの2週間で引き続き競争が繰り広げられる。

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