『ちりんちりんアイス』新たな挑戦 初の常設店舗 前田冷菓「自分たちなりのスタイルを」

定番のバラ盛り(右)や直売所限定商品をPRする前田専務=長崎市、前田冷菓直売所

 長崎市内の観光地で「ちりんちりんアイス」を販売している前田冷菓は20日、同市田中町の本社に直売所をオープンする。創業以来、昔ながらの屋台で販売してきた同社にとって初の常設店舗。直売所限定メニューも売り出すなど、新型コロナウイルス禍の中、新たなスタイルに挑戦する。
 1960年創業。眼鏡橋周辺など市内観光地やイベント会場に屋台で出向き、アイスを販売。シャーベットのような口当たりとさっぱりとした甘さが特徴で、コーンの上に花のように盛り付ける「バラ盛り」を目当てに訪れる観光客も多い。
 しかし、新型コロナ禍で観光客が途絶え、2020年の売り上げは前年比15%に落ち込んだ。屋台を休み、夏休みと冬休みに本社の一角に簡易販売所を設けて営業を続ける中、アイスを求めて本社まで車で訪れる観光客がいたという。前田清香専務(50)は「わざわざ探して来てくれた。必ず買える場があったほうがいい」と直売所の常設を決めた。
 店では屋台で扱うプレーン(200円)のほか、ビワやそのぎ茶など8種類の味を用意。かんきつ類ユウコウなど県産の食材を使ったサンデー(500円)や、アイスを浮かべたソーダ(400円)も提供する。屋台販売も同日から再開予定。前田専務は「観光客はコロナ前の状態には戻らないかもしれない。自分たちなりのスタイルを模索していきたい」としている。
 直売所の営業は午前10時半~午後5時。水曜定休。


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