諫早市長選告示 三つどもえの戦い “未来図”どう描くか

コロナ禍、こぶしを合わせて支持を求める候補者=諫早市内

 21日告示された諫早市長選は、4期目を目指す現職と新人2人による三つどもえの戦いとなった。市町合併から16年、人口減少が加速する一方、九州新幹線長崎ルートの暫定開業を控え、駅周辺再開発など「50年に1度の変革期」を迎える市。コロナ禍の中、「市政の継続性」を訴える現職に対し、新人2人は「変化による発展」を打ち出す。県内第3の都市の“未来図”をどう描くか-。

 無所属新人の大久保潔重(ゆきしげ)候補(55)は永昌町のJR諫早駅西口前で第一声。県議、参院議員としての経験をアピールしながら、「『諫早に住みたい』『諫早で生まれ育って良かった』と思われるような町を市民と一緒につくりたい。その先頭に立つ」と声を張り上げた。
 無所属新人の山村健志(つよし)候補(47)は母親の古里多良見町のなごみの里運動公園で第一声。中心部の栄町アーケードでも出陣式を開き、「市民と未来を話し合う対話を通して、誰もが住みたい町に変える」と訴えると、普段は閑散とするアーケードに大きな拍手が響いた。
 無所属現職の宮本明雄候補(72)は宇都町の諫早神社で出陣式。企業誘致や住宅着工件数の増加などの実績を挙げ「コロナ禍で市民の命と暮らし、経済を守り抜くのが最大の課題。知見と経験で乗り切っていく決意」と主張。小雨の中、支援者と拳を力強く突き上げた。
 支持拡大と感染防止の両立も課題の選挙戦。個人演説会は自粛し、選挙カーでの遊説や街頭演説、フェイスブックなど会員制交流サイト(SNS)を活用した発信など、従来と異なるスタイルが目立つ。有権者との接点が限られる中、思いを届ける方法に苦心する。
 各候補への市民の見方はさまざま。新人に対し、団体職員の女性(63)は「若者が住みやすい町にしてほしい」、会社役員の男性(53)は「大村に比べて物足りない。チャレンジ姿勢に期待する」。無職男性(77)は現職に「これまでの実績を生かして総仕上げを」と期待を寄せた。


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